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2010年6月29日 (火)

テレビが大将

 テレビでの話題はなんと言ってもワールドカップの話題だ。

 そして、次に相撲協会の問題。

 各局まったく同じ企画、そして同じ論調。

 岡田さんの解任を促すような報道をしていた報道各社は、いっせいに岡田采配を絶賛する。

 世論という虚構の声を後ろ楯にして、誰かをいけにえに仕立て上げて一斉にバッシングする。

 そして、同じ口で英雄に祭り上げ賛美の嵐。

 なんの疑問も抱かず、馬鹿みたいに右往左往する大衆。

 現代版「いいじゃないか」だ。



 なんといってもワールドカップなのだが、今朝のテレビ朝日のスーパーモーニングでのトップニュースは相撲協会の問題だった。

 相撲協会の臨時理事会が、賭博問題を検証している特別調査委員会からの勧告を受け入れて、大嶽親方と、琴光喜を除名か解雇するということだ。

 その他、降格処分やら力士の謹慎休場などの措置をとるみかえりに名古屋場所を開催するという決定になるということだ。

 この処分について、レギュラー出演者の一人の大沢弁護士賀「処分が重すぎる。暴行致死事件を引き起こした時津風親方でさえ解雇処分だった。刑法では傷害致死事件は3年以上の有期刑という非常に多い罪だ」

「一方の賭博罪は罰金刑だけの非常に軽い罪だ」

「刑事事件の量刑の重さと比較して、今回の相撲協会の処分はまったく理解しがたい」と、法曹人として憤懣やるかたないという激しい口調でまくしたてた。

 私も聞いていてそのとおりだと納得させられた。

 ことに、琴光喜は好きな力士であるし、大嶽親方は元貴闘力時代に私の好きであった貴乃花の優勝に貢献してくれたこれまた大好きな力士だった。

 二人の好きな力士のこれからの人生を根こそぎうばってしまうような処分については私も納得がいかなかなかったのだが、大沢弁護士の法律家として実に的を得た理論をきいて、いっそうその思いを強くした。

 死刑にも等しい判決をくだすのに、ほんの数日数時間の審議しかしていないように見えるし、なぜ琴光喜と大嶽親方だけなのかもわからない。

 それにこの問題でニュースに露出している、賭博問題特別委員の伊藤滋氏の言動の軽さには不快感を覚える。

 へらへらしたあの軽薄な表情とお喋りは、人の将来を慮る気持が微塵も感じられない。




 そういうことで、私は個人的には大沢氏の意見に大賛成なのだが、今日のスーパーモーニングでは出演者の全員が、この大沢氏の意見に同調するものだった。

 相撲協会の処分が決定するまでは、「責任は重大だ」「曖昧な処分じゃ許せない」「辞めて責任をとれ」と、相撲協会を糾弾していたのがテレビの趨勢だった。

 それが、今度は一斉に処分が重すぎると言う。

 この「一斉に」が私が危惧するところであり、テレビの怖さで、ずるさなのだ。

 そして、また国民と呼ばれる大衆が、一斉にその意見が自分の考えであったかのように錯覚して、輪をかけて大騒ぎの輪に加わる。


 冷静に、テレビ報道から真実がどこにあるのかを眺めてみたいものだ。



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