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2010年6月11日 (金)

お客様は神様?

 昨日、久し振りに大失敗してしまいました。

 お客様を激怒させてしまいました。

 6月11日のブログで書いているのですが、私は自分はお客様と対等の関係にありたいと思っています。

 お客様に感謝はしているのですが、自分も仕事でお客様の役にたっているという気持があって、それがお客様には不遜に感じられるようです。

 仕事はそれではいけないのだとは思うのですが、「わかっちゃいるけど」直らないのです。

 

 先日、知り合いの紹介でお客様の紹介をいただきました。

 土地と家を売る予定で、売却価格を査定してく欲しいという依頼でした。

 ただし、他にも2、3社査定を依頼するという話です。 

 他社と競合させられての査定は難しいところがあります。

 売る人は高く売りたいわけで、買う人は安く買いたいのです。

 不動産業者は、その間を仲介する立場です。

 売却の依頼を受けようと思えば、高めの査定をした方が売却の依頼を受けやすいということになります。
 
 ただし、依頼を受けたいがために高すぎる査定をすると売れ難くて、結局売主に迷惑をかけることになります。


 いかに売主に損をかけずに、なおかつ買手からみて高すぎない価格設定にするかが査定の難しいところです。

 安ければ売りやすいが、売主の利益はまもってあげたい。

 高ければ高いほど売主は嬉しいだろうが、買手が納得できる価格でないと売れない。



 私は、不動産売買において一番大事なことのひとつが売却可能額の査定だと思っています。

 それで、他の不動産業者よりも時間をかけて査定をしていると思います。

 査定にあたって、まずは法務局で登記上の権利関係、地積、面積等を調べます。

 次に現地調査をします。

 これは道路や周辺の環境を調べることと都市計画法、建築基準法上の問題点はないか、日照とか騒音、嫌悪施設等が近くにないか、さらに買物の利便性はどうかを調査するわけです。
 

 そして、自分で蓄積した売買事例のデータや、取引のある他の不動産業者の取引事例をもとに売却価格を査定するわけです。

 私は、最低でも4時間から6時間はかけています。


 ただし、今回のお客様のように、何社か査定に査定を頼んでから売却の依頼をするということには矛盾を感じるのです。

 売却を受託しようと思えば、高く査定した方がいい。

 査定は面倒くさいし、高めに言っておけば売却の依頼がもらいやすいので、適当に高めの査定金額を提示する不動産業者もいます。

 そういった不動産業者と競合させられて査定依頼があった場合、私は正式な査定書は作成しません。

 私は、自分の査定は有償として代価をいただけるような査定をしていると思っているからです。

 時間をかけ、悩み抜いて査定をしているのです。

 適当に査定している業者と同じ取り扱いを受けるのは納得できません。

 

 今回は、知人の紹介であり、売却の依頼を受けられないとしても売る場合の役に立てばいいと思って査定をしました。


 売却の依頼を受けたときにお客様になるわけで、今回の場合、私の査定は参考にされるだけで仕事の依頼はないかもしれないわけです。

 

 この場合、売却にあたって私の査定した価格を参考にするはずですが、私が査定にかけた労力に対する報酬はゼロです。

 しかも、査定するにあたっては、形として見えにくい労録とは別に、法務局で登記内容を調査するのに実費で2000円の印紙代の支払いが発生しているのです。

 実際に使った費用の請求もしないわけです。



 長くなりましたが、そういうわけで依頼者はお客様になるかもしれない方ですが、ある意味私のほうが先に役に立つ仕事を無料でしてあげているのだと私は思うのです。

 そんな私の態度はときとしてお客様にとって、傲慢に見えることがあるようです。

 通常は「お客様は神様です」という取り扱いをしてもらえると思っていたお客様は、まったくへりくだらない私の態度を頭が高いと感じてしまうわけです。


 今回のお客様に場合、そんな私の悪い部分が全部出てしまいました。

 査定についての内容を説明する場面で、それを指摘されましたが、あえて私は持論を述べて、私は頭の高い変わった不動産屋だけどそれを変えるつもりはないと自己主張をまげませんでした。

 私の態度が気に入らなくて売却の依頼を受けられなくてもかまわないと思ってました。


 そして、査定内容を説明し、販売方法についての助言もしました。

 その日、「今後のことは電話で連絡します」と言われたのですが、10日経っても連絡はありませんでした。

 やっぱり自分には依頼が来なかったと思っていたら、昨日電話が入ったのです。

 「売却を3社にお願いする。ついてはあなたにもお願いしたい。」という連絡でした。

 価格は私が査定した価格でいいとのこと。

 私は嬉しくて、今後の売却方法についてさらにいろいろ助言した。

 そんな会話の中で、「生意気だけど(査定や助言は役に立ったよ)感謝しているよ」と言われたとき、私はこのお客さんは私の悪いところを含めて完全に私を理解してくれたと錯覚してしまったのです。

 それで、つい旧知の友達のような感じになってしまい、お客様を向かって言うべきでない不穏当な発言をしてしまったのです。

 昨日、査定をするにあたって2時間以上の話の中で、私の欠点をさらけだしてみせ、それについて「感じ悪い」と言っていた人が、結局自分のことを理解してくれて売却の依頼をしてきたのだと勝手な解釈をしてしまったのです。

 まったく悪意はなかったのですが、大いに気分を害する発言をしてしまったのです。

 気の置けない友人との間で、お互いの悪口を言い合って楽しむようなセリフだったのです。

 それまで、にこやかに話をしていたのに、突然不愉快な声になり私に対して苦言を呈されました。

 馬鹿な私は、さらにしばらくは怒らせたことにも気がつかず、私の理解者が苦言という形で私をいさめてくれていると勘違いしていてお詫びすることもしませんでした。

 腹を立てていたお客様は、電話を切られてしまいました。

 電話を切られて、相手を怒らせたことに気がついて、お詫びの電話をしましたが留守電になっていました。

 久々の大失敗でした。

 私の師匠から、「あんたが悪意がないのはわかっているが、物の言い方には気をつけなさい」「私だからこそ、あんたの口の悪さを受け入れられる」「私以外の人には、もっと気を使って話をしなさい」と口を酸っぱくして注意をされていた。

 本当に悪意はなかったのですが、気分を悪くしてしまったことを心からお詫びいたします。

 電話にはでてもらえないようなので、お詫びの手紙をだします。

 大変申し訳ありませんでした。




 こんな性格の悪い不動産屋ですが、嘘や隠し事がないことは誓えます。

 もし、私に出くわすことがあって、私の口が過ぎたときにはご容赦ください。

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