報道ステーション「100歳の神の医師」を見て思う
中国に生きる101歳の日本人医師
昨日の報道特集で、中国・山東省で60年間診療を続けている101歳の日本人医師山崎宏さんの話が報じられていた。
山崎さんは日中戦争が始まった1,973年に歩兵として中国に渡ったが、戦争の残酷さを目の当たりにして脱走した。
脱走後は、日本軍に見つからないように逃げまわっていた。
逃走中に山崎さんが出会った中国人が、敵国人である山崎さんに食べ物を与えてくれた。
なぜだか出会った中国人が、みんな山崎さんに施しをしたくれとという。
そして戦争が終わり、山崎さんは中国人に恩返ししたいと医師になることを決心し、医者になるために必死で勉強をして、医者になった。
その後いろいろと苦労はあったが、山崎さんは今も現役の医師として中国人の患者のために働いている。
医者としての技術の信頼も得、お金のない人からは治療費もとらなず、自分は家具も家電も持たず、小さなアパートで質素な生活をしている。
現地では、「世を救う100際の神の医師」という呼称で呼ばれている。
この特集を見て、私はただただ感動した。
またしても、涙が出た。
明日のブログではこのことを書こうと思った。
それで、さきほどからブログを書きはじめたのだが、山崎さんの名前も覚えていなかったこともあり、インターネットで昨日の報道内容を確認してみようと思って唖然とした。
「報道ステーション 101歳日本人医師」でgoogie検索してみると、50000件以上の検索結果が出た。
トップ表示はテレビ朝日のホームページだった。
私は、ここで昨日の放送の内容を確認した。
さらに検索で上がった他のホームページのいくつかを覗いてみた。
すると、昨日の特集を批判する内容のものが結構多かった。
検索結果の2番目に登場する、「澎湖島のニガウリ日誌」というブログには考えさせられるものがあった。
http://blog.goo.ne.jp/torumonty_2007/e/9e678019cb32c429f8b139ca400cfbaf
私は番組をそのまま受け入れて、制作者の意図とおりに感動し涙した。
しかし「澎湖島のニガウリ日誌」を読んでみて、こんな考え方もあるんだと考えさせられた。
冷静に振り返ってみると、私も確かに「違和感」を感じる部分はあった。
山崎さんが脱走したあと、日本軍と中国人の双方に見つからないように逃げ回っていたが、空腹に耐えきれず通りがかった中国人に手を差し出したら食料を恵んでくれた。
その後も、出会う中国人がみんな食べ物を分け与えてくれたという話だった。
戦時中で自分たちの食料も満足に得られない状況なのに、そんなことがあるのかなと一瞬思った。
しかし、テレビの画面に出ている山崎さんが「自分も不思議だったけど、出会う中国の人がみんな快く食料を与えてくれた。」「なんでだかわからない」「中国人の心の広さに感謝した」と喋っているのを見ていて、そんなこともあるのだろうな、と思ってし放送をそのまま見ていた。
見ていてもう一つ疑問に思ったところは、山崎さんは中学校しか出ていないのに、30歳を過ぎてから勉強を始め医師になったということ。
中国語の勉強から始める必要があったわけで、医学という専門的な言葉の勉強もしなければいけなかっただろうに、よくぞ医師試験に合格したものだと思った。
ひょっとしたら、戦後の混乱期で試験がやさしかったのかなとも思った。
しかし、そんな疑問も番組を見ているうちに、なんとなく受け入れてしまっていた。
私は、常日頃からテレビを始めとするマスコミの報道を鵜呑みにしてはいけないと思っているし、話をしている。
それなのに、昨日の報道特集の内容をそのまま受け入れていた。
今日は、たまたまインターネットを見てみたのだが、インターネットの世界にはさまざまな意見が出ている。
テレビ報道を真っ向から否定する意見も多い。
匿名のものが多く、それこそ玉石混合だろうが、これもまた無視できないメディアだと再確認させられた。
そして改めてテレビの怖さを思い知らされた。
「正しいかもしれない」、」でも作り事かもしれない」
全てを゛そういう目で見る必要があることを再度思い知らされた出来事だった。
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引用していただきありがとうございました。
私は、特定の政治的立場を持つ者ではありませんが、戦争体験の風化が、戦争と平和の問題について考えるときにも大きな影を落としていると危惧しています。
今回の山崎宏という人は、中国では「反日教育」の材料として使われている人です。それは、この映像で明かです。
http://v.ifeng.com/society/200907/76dbcaca-a9bd-47ee-a47e-069cb7aabd2a.shtml
テレビ朝日は、二点で過ちを犯しています。まず、山崎さんが脱走兵であるという意味を説明しなかったこと、もうひとつは、中国側から提供された「ネタ」を検証せず、相手の言うがままに制作したことです。マスメディアの役割を果たしていませんね。「媚中」という意図があるためか、歴史の概略も知らない無能な社員が制作しているのか、どちらなのでしょうか。
澎湖島のニガウリ日誌より
投稿: | 2010年8月 3日 (火) 16時58分