幼児死体遺棄事件、2次被害、児童相談所
大阪で幼児2人が遺体で見つかるという事件があった。
事件現場のゴミで溢れているベランダが何度も画面に映し出される。
やせこけた幼い2人は、ごみが散乱する部屋の中で寄り添うように倒れていたという。
2人とも裸で横たわっていという。締め切った部屋は蒸し風呂みたいだったのだろう。
子供たちが寄り添っていたという話を聞いて、涙がとまらない。
3歳の姉は1歳の弟をなぐさめていたのだろうか。
1歳の弟は、3歳の姉しかたよるすべがなくて寄り添っていたのだろうか。
報道では無責任な母親を鬼畜のように報道する。
たしかに母親が一番悪い。
信じがたい行動だし、許しがたい犯罪だ。
こんな事件があっていつも問題になるのが児童相談所の責任問題だ。
毎回のことのように、通報があったのにもかかわらず子供の命を救えなったことを反省している、後悔しているというお詫びの会見がある。
今回の事件でも、近隣の住民から再三児童虐待があっているのではないかという通報があっている。
通報を受けた児童相談所は、何度か訪問して必要なインターホンをおしたが応答がなく、連絡をしてくださいというメモを置いて帰って来ただけ。
子供を虐待するような人間が、連絡を下さいというメモをみて連絡してくるはずがない。
児童相談所が責められるのは当然のことなのかもしれないが、彼らだけを責めるのも酷な気がする。
かれらは市の職員なのだ。
児童福祉士司の資格をもっているわけではない。
たまたま何年かを児童相談所に配属されているだけだ。
私も市役所に友人がいるが、福祉課や税務課の仕事はなかなか大変だという。
ただし、3~4年もがまんしていれば担当替えになるわけで、その間大きなもめごとがないことを祈っているというのが実情だろう。
その心情はわかるし、児童相談所の職員を一概に責める気持にもなれない。
児童虐待をするような人間は通常の性格ではない。
暴力的な発言や行動をするような人間が多いだろう。
大きな声でどなられたり、威圧するような行動で対応されたら恐怖を覚えることもあるだろう。
私は、そんな人のところに行きたくはない。
普通の人間だったら、だれでもそうだろうと思う。
だから、担当者だけの責任とするのでなくチームとして動くような態勢をとるとか、警察や他の関係機関の協力を得る制度を作って、児童相談所に対するバックアップ態勢を強化しなければ゛今後も同様の事件はなくならないだろう。
また、今回の事件で近隣の人たちの意見や感想がいろいろ報道されていた。
虐待を感じていた人もたくさんいたわけで、尋常じゃないか様子を見て通報した人もいたわけだ。
この人たちも、今回の事件では心が痛むだろう。
結局、自分では助けられなかったことの後悔。
児童相談所がなんとかしてくれていたらとか、警察はなんとかできなかったのかと言われているが、自分はなにもできなかったのか。
そんな自責の念にかられている人もいるだろう。
事件のあったマンションの入り口には、たくさんの花やお菓子が備えられていた。
それと、こんな事件が起こったときの被疑者の関係者も2次被害にも同情してしまう。
テレビでは何人かの関係者の言葉が報道されるが、おそらく被疑者、被害者に関係する多くの人のところに報道各社が押しかけているのだろう。
親であれ兄弟であれ、事件とはまったく無関係な別の個人なのだ。
そんな人たちの家に押しかけ、インターホンを鳴らし、強引にマイクをつきつけて、無理やり何かを喋らせているすがたが想像できる。
テレビ制作的には、なんでもいいから劇的な場面にしたてあげればいいのだろう。
しかし、親や兄弟に責任を求めるのは間違いだろう。
事件にまきこまれる親や兄弟に同情する。
もう一人の被害者は、マンションのオーナーだ。
自殺や殺人のあった部屋は当面は借り手がいない。
入居者の方も気持が悪いし、怖いし、退去する人も出てくる。
今回の事件のマンションはまだ新しいようだった。
私の仕事がら、ローンを沢山かかえているのではないか、まだ支払い計画は余裕があるのだろうか、何人も退去者が出たら支払いに支障がでるのではないか、などと余計な心配をしてしまう。
経験上、自殺や死亡事故のあったマンションや住宅は借り手もつかないし、売却する際にも非常に売りにくい。
不動産業者としては、自殺等があった物件についてはその事実を告知することになっている。
告知しないで貸したり売ったりすると、後で損害賠償の要求をされたりするので告知するのが普通になっている。
だから、この部屋から得るべき家賃は当面は入って来ないだろうし、もし入居者を入れようとしたら大幅な家賃ダウンをしなければならないだろう。
家主の経済的な打撃は少なくない。
といって、保証してくれるところはなにもない。
現地では報道各社が押し寄せていることだろう。
家主さんの心中を察すると、お気の毒で仕方がない。
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