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2010年8月 4日 (水)

所在不明の高齢者事件

 先日、東京都足立区で、東京都内男性最高齢の111歳とされていた男性が、ミイラ化した遺体で見つかるという事件があった。

 亡くなって30年以上経過していたことや、故人がミイラ化していたこと、さらに年金受給の問題もからんで話題性が高く、事件発覚以来連日大きく取り上げられている。

 これを契機に、東京都内で所在のわからない高齢者が次々と見つかっている。

杉並区では、東京の女性の最高齢者になっていた113歳の方も所在不明だということがわかった。

 今までにも、死亡届を出さないで保険金を受け続けていたという事件は何度も見聞きしている。

実際、111歳男性の場合も、年金は給付されていた。

死亡届を出さなかった原因が年金のせいだったのかもしれない。

そうだとしたら、その方がわかりやすい。

113歳女性の場合、年金は給付されておらず、住民票上は同居しているはずの娘さんに聞いても、お母さんがどこにいるのかはわからないと答えていた。

警察の調査で他にも子供さんがいて、そちらに聞いてもお母さんがどうしているは知らないとの答えていた。

東京以外でも所在不明の高齢者が次々と見つかっている。

テレビの解説者は、近所づきあいが希薄になったせいだと分析し、「東京砂漠」などという単語を使う。

役所の人は、戸籍法上は当事者からの届出がないと死亡したことは掌握できないし、それを確認する方法はないと言う。

しかし、確認する方法がまったくないというのはどうだろう。

 30年間の間に、長寿のお祝い金や記念品を届けたり、表彰をしたりする場面が何度もあっている。

そんなときには自宅を訪れているわけだ。

本人に会わせてもらおうとしたが、その都度理由をつけて会えなかったらしい。

家族からそう言われると、あえて家に立ち入ることはできなかったそうだ。

 

 どこかで聞いた話と似ている。

 最近起きた幼児見殺し事件の児童相談所の弁と似てはいないか。

「訪問したけど、応答がなかった」

「 会わせてほしいといったが、断られた」

担当の職員さんや役所を責めるつもりはない。

ただ、年金給付が伴う場合は、本人が死亡後の受給は違法なのだから、ある程度強制的に生存を確認する権限を持つべきだろう。


杉並区の113歳の女性の家族の行動については、 3人いる子供さんのいずれもが行方不明になった母親について大きな関心を持っていない。

こんな家族は多くはないだろう。

こちらの場合、原因を無理に現代社会の歪みに求めて、解決策を論じるのは意味がないように思う。

家族とも関わりを持ちたくない人が、近所の人と関わりをもたずに暮らしていても、それは当然のこと。

事件がおきると、その原因をしゃにがむに究明しようとするようだが、それは無意味だと思う。

常識の外で生きている人の思考を、常識の枠の中の価値観で推し量ることは無意味なことだ。

解説者や評論家は、自らの職業を成り立たせるために無理に理屈をこじつけているだけのように思えて仕方がない。

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