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2010年8月10日 (火)

脳死による臓器移植、改正臓器移植法

 本人の書面による意思表示がなく家族承諾のみでの脳死による臓器提供が行なわれることになった。

 改正臓器移植法の施行からわずか3週間余りのことだ。

 私は臓器提供はしたくはないという意思表示をしている。

 子供たちは臓器移植をしてもいいという意思表示をしている。

 私は子供たちの意志を知っているが、万一子供の臓器提供を問われる事態に遭遇したら、臓器提供を拒否したいと思っている。

 それは人間の良心を信じきれないからだ。

 医療従事者、移植コーディネータ、その他移植関係者の多くは善良な人たちかもしれない。

 しかし、全部の人を信じ切ることができない。

 数年前の未経験の内視鏡手術で患者が死亡した事件が記憶に新しい。

 立派な病院だったように記憶している。

 手術はビデオで撮影されていて、主実の場面がテレビで報道されたが、医者の笑い声が聞こえていた。

 新しい内視鏡手術で、その医師たちは器具の取扱マニュアルを片手に手術をした。

 医師の研究心から新しい技術を習得したいということもあるだろう。

 しかし、人間の功名心から人に先駆けて新しい技術を試してみたいという心理がないとは言えない。

 医学の発展には、たくさんの犠牲が伴うものかもしれない。

 脳死による臓器提供において3つの重要ポイントがあるという。
 
 「治療を充分つくしたか」「脳死判定を厳格に行なったか」「家族は充分納得しているのか」ということだ。

 今回のケースで気になるのは、家族の同意を得る前に日本臓器移植ネットワークに連絡が入っていたのではないかということだ。

 臓器ネットワークに連絡が入ったのは8月5日のこと。

 家族が臓器移植ネットワークに脳死判定と臓器摘出について承諾したのは8月8日。

 その後に脳死判定を始めている。

 臓器移植関係者は、脳死移植によって助かる人のことで頭がいっぱいになっているだろうが、死を目前にして消えかかっている人の命のを最大限に尊重してもらえているのか。

 今は、臓器移植がトップニュースになり全国民の衆目にさらされているから、慎重に厳格に脳死判定を行なっているだろうが、臓器移植が増えて話題にのぼらなくなったときにも、すべての医者や関係者が今と同じ気持のままでやってくれるのか。

 私は不安は拭いきれない。

「あなたの息子さんは脳死状態です」

「絶対に回復の見込みはありません」

「あなたの息子さんの臓器移植をすることによって助かる命がたくさんあるのです」

 と説得されて、断りきれなくなる人はいないだろうか。

 「あなたは脳死状態のご家族の臓器移植についてはどういうお考えですか」

 「臓器提供をされたいですか」「臓器移植はしたくないですか」

 という単純な質問をしてもらって、家族が少しでも「したくない」という意志を表したら、それを尊重するようにしてもらいたい。

 「臓器移植が普通のことになって、臓器移植をしたくないということを言い出しにくい風潮にならないことを願う。

 それが脳死による臓器移植の伸展のためであるとも思う。

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