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2010年8月 9日 (月)

中国のバブルがはじけませんように

 昨日の日経新聞一面にちょっと心配な記事があった。

 「中国問題債権19兆円」と言う記事だ。

 それによると、中国の商業銀行が地方政府系企業に対して実施した融資のうち、将来不良化する恐れがある「問題経験が」19兆5000億円もあるというのだ。

 一部の地方政府系企業が景気対策に名を借り、採算の見込めない事業に多額の資金を投じてきている。

 景気減速などで、こうした企業への融資が焦げつけば、中国の銀行システムへの打撃は大きい。

 日本だけでなく、世界中がにっちもさっちも行かなくなっている。

 日本の「失われた10年」は、引き続き10年延長になった。

 それでも、「失われた10年」から抜け出すことができない。

 それは、日本だけではなくアメリカもヨーロッパも同じだ。

 唯一、まだ発展途上にあった中国経済で世界経済が保たれているような気さえする。

 この中国が破綻したらと考えると恐ろしい。

 そんなことを感じているのだが、このところの中国はちょっとおかしい。

 20年前の日本のバブルの時を彷彿とさせるものがある。

 バブルだけではなく、日本の不必要な公共事業投資、特殊法人や独立行政法人への税金投入問題と同じ道を歩いているような気もする。

 つくづく、人間はどうしようもない、 自分の利益そして目の前の利益にしか目が行かない動物だと思う。

 官僚や政治家に税金の無駄遣いをするなと言っているが、自分のために使ってくれる無駄遣いならいくら使ってもらったっていいと思っているのだ。

 無駄な道路やダムは造るな!と言うが、自分の町の道路もダムは造ってもらいたいのだ。

 すべてのことがそういう論理で動いている。

 天下り先で悪名高い独立行政法人にしても、その法人に関連している企業、関係者にとっては必要なのだ。

 一般企業と役所の予算の使い方の違いの例えとして、一般企業は予算内で予定の仕事を達成し予算を余らせることは手柄になるが、役所は予算は全部使い切らければ能力がないとしかられるという話がある。

 実際、年度末には余った予算で公共事業をやったり、事務所の備品を買い換えたりしている。

 しかし、一般企業でも同じようなことはある。

 例えばである。

 私は、宮崎県宅地建物取引業協会延岡支部に所属しており、その中で研修委員会の委員長をしている。

 延岡支部では、いくつかの委員会ありそれぞれの委員会が各種行事を担当している。

 各委員会では、年間の運営費として数万円の予算をもらっている。

 予算は主に会議費としてのものだ。

 会議費といっても会議は協会の事務所で行なうわけで、会議自体にはお金はかからない。

 各委員会とも、委員の親睦という名目で行事の打ち上げ等の飲食にお金を使っている。

 昨年だったか、私が委員長をしている研修委員会では、私が忘れていて飲み会等を一回も開かなかったので年度末の予算が余ってしまった。

 私は、この予算を協会に戻すことに決めた。

 協会もここ数年会員が減少傾向にあり、財政が厳しいと言っているのでわずかな金ではあるが余った金は戻そうと思ったわけだ。

 そうしたら、会員の中からもどすのはもったいないから年度内に食事会をしようという声がでた。

 これが、税金の無駄遣いの構図なのだと思った。

 自分が財布の中からだした金ではなく協会から与えられた予算だから使ってしまわないと損だ。

 一方協会は会員減による会費収入が減っていることから会費値上げをしたいのだが、会員の負担を増やしたくないので、経費を減らす努力をしてなんとか運営している。

 日本の現状と全く同じなのだ。

 片や何千億円、こちらは数万円のことだが、根本は同じことだ。

 総論としては無駄遣いをやめて、財政を健全化するべきだ。

 でも、自分に及ぶ無駄遣いはどんどんやってくれ。

 これが大半の人間の本質だ。

 バブルを造ったらその反動で経済が混乱することはわかっている。

 でも、目の前に自分の利益があるのであれば、バブルも大歓迎。

 国家、国政についてもそうだ。

 無駄遣いはやめて、本当に国民のための税金の使い方を考えろといいながら、自分のためには金をよこせというのが人間の心理だろう。

 だから、国民全部が「痛みに耐え」なければならないのだけど、「痛みに耐えなさい」と大きな声をあげ、錦の御旗を振っている張本人たちが甘い水を飲んでいては世の中変わらない。

 一般庶民も本気で「痛みにたえる」から、支配者階級の人たちも「痛みに耐えろ」という約束をして、約束をたがえたら暴動をおこすぞという契約ができないものか。

 などと、思ってしまう。

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