テレビの功罪
今朝のワイドショーで、町行く人に、尖閣諸島の位置を地図上で指し示してもらうというコーナーがあった。
対馬あたりを指し示す人、沖縄近辺を指す人、鹿児島と沖縄の間を指し示す人。
間違うと「ブー」というブザーが流れるという趣向だった。
見ていたら連続4人が「ブー」であった。
テンポ良く「ブー」「ブー」と間違いブザーがなって、こんな大騒ぎになっているのに無関心な人が多いものだと、少々呆れて見ていた。
すると、アナウンサーがフリップを出して、「道行く人20人に聞いてみたら正解は14人でした」と解説していた。
これがテレビの怖さだ。
今回のアンケート結果は、最期には「20人中14人が正解」ということだったが、テレビの画面では立て続けに4つも間違った回答を見せつけていて、知らない人の方が多いかのような印象もたされた。
今回の結果は結局正解が7割だったわけだが、7割も正解者がいたと見たらいいのか、3割も間違った人がいたと見るべきなのか。
私は、8割くらいが正解して、2割くらいの人が明確には指し示せないと予想してたから、、私の予想した数字とは大きな差はでなかった。
この番組の制作意図は、「3割もの人が場所を知らない=危機意識、問題意識が低い」と思わせたいように感じた。
テレビのニュース番組では、よく街頭インタビューが放映される。
一般国民の意見をそのまま放映しているように思わせるわけだが、私は、テレビ局が意図する回答のみを流しているのではないかと常日頃から感じている。
テレビは「普通」では面白くないのだ。
良きにつけ悪しきにつけ、「異常」な状況がテレビにとってはおいしいことなのだ。
一昨日の「テレビタックル」で、今年の猛暑で野菜の値段が高騰しているという話題になり、テレビ局が農家で取材する場面があった。
テレビ局が「今年は猛暑のせいで野菜の値段が上がったそうですね」と切り出したときの農家の方の回答が実にテレビ報道の本質をついたものだった。
「テレビは野菜が高騰したときしか取材に来ない」
「野菜をトラクターで踏みつぶすときにも取材に来る」
「普通のときには農家のことなんか気にしていない」
と言っていた。
「その通り!」と私は、心の中で喝采を送った。
そんな信用にならないテレビだけど、私は1日に5~6時間テレビに時間をとられているテレビおじさんなのだなあ。
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