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2010年9月30日 (木)

東国原さん不出馬と井上陽水「傘がない」

 東国原さんが、ようやく不出馬を正式表明した。

 すでに、新聞・週刊誌で既成事実のように報道されていたが、取材に対しては「県議会の本会議中に正式に発表します」と言って明言して来なかった。

 新聞や週刊誌ではさまざまな関係者の弁というものが報道されていたわけだが、まったく根も葉もない無責任な記事だったのだろうか。

 一期で辞めてしまっては、これまで東国原さんが「宮崎県のために」と言っていたことと整合性はとれるのだろうか。

 「宮崎をどげんかせんといかん」と言って立たれたわけだが、一期四年だけで「どげんかなる」と思ってのことだったのだろうか。

 宮崎県民の一人として、東国原さんの功績は認めるが、まだ「どげんかせんといかん」ことはたくさんある。

 元三重県知事の北川正恭さんは、「首長の多選は禁止するべきだが、1期でやめるのはもっとダメ」だと言っていた。

 実にその通りだと思う。

 何かをやりたくて首長になったわけなのであって、それは1期4年でやれるものではない。

 最低2期8年は必要だと思う。

 東国原さんの不出馬会見を見ていても、彼の言葉からは彼の真意は見えて来ない。

 昨年の衆院選の際に、「自民党さんは私がを次期総裁候補として、選挙を『お戦いに』なに『『お覚悟は』『おありなられますか』」とマイクの前で発言して、世論の反発をかったが、その際に言語明朗意味不明な発言がしばらく続いたが、あのときと同じあやふやさを感じる。

 それに辞めるタイミングが悪すぎる。

 2期目に出馬する気がなかったのなら、もっと早く表明するべきだった。

 次期知事選の告示は12月9日と迫っている。

 よもや東国原さんが1期で辞めるなんてことは誰も考えてなかったわけで、今後の県政について考える余裕もなく知事選を始めなくてはならない。

 これまでに、都知事選出馬や衆院選出馬と知事引退の報道が何度もとりざたされたが、彼はその都度否定してきた。

 かれは口蹄疫の問題が大きな引き金になって、最近になって決意したというようなことを言っているが、少なくともこの半月は「私の意志は県議会の本会議中に表明します」と言い続けていた。

 この半月あまりの時間の浪費はなんだったのだろう。

 またしても、頭の中で井上陽水の「傘がない」の歌が流れる。

 世間がどんなに大きな事件になっていても、自分にとって一番大きな問題は(彼女に会いに行くための)「傘がない」。

 だれしもそんなもの。

 宮崎県のために県知事になったのも、「自分が大きく世の中に出るための『傘』」じゃなかったのか。

 人生の次の舞台に上るために、一番身を濡らさない『傘』を探しているところではないかと思えてしまう今日この頃だ。

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