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2010年9月16日 (木)

阿久根市 竹原市長 リコール

 阿久根市の竹原市長のリコールを求める署名簿が市選管に提出された。

 リコールには、有権者1万9936人の3分の1(56646)人以上の賛成が必要とされているのだが、それを大幅に上回る1万364人分の署名が集まっている。

 竹原市長は2年前の夏、「住みよい阿久根市」にと市政改革の必要性を訴えて、市民の圧倒的な支持を受けて当選した。

 当選後、市議会から2度の不信任決議を受けて失職したが、昨年の出直し選挙で再度当選した。


 今回リコールした人の中には、その2度の選挙で竹原氏に投票した人の中が多数いるようだ。

 ある主婦は、「2年前の夏に感じた市政改革の熱意がうせたとは思いたくない。市長には非を認めて巻きかえしてほしいとも思う。でも、その可能性にかけるのも疲れました」と夫婦で署名をしたという。


 また、市議時代から竹原氏を支えてきて自分の会社を選挙事務所として提供したほどの支援者が、今回のリコール署名を集めて廻っている。

 その方がいわく、「議論がない議会はダメだと主張して当選しながら、自分の提案に反対する議論は認めず専決処分を繰り返すというのは、ご都合主義だ」

 「市長を支援する気持はうせた。市民を味方につける努力をせずに、自分の主張を押し通して阿久根市を二分するだけ。私も彼に夢を見させられた一人だった」という声もあった。


 ここに至っては、竹原市長も記者会見に臨まざるを得ないというところだろう。


 しかし、記者会見にいたっても「市民が市政について判断する機会を得たことは大変望ましい。私の不徳を原因とする部分があったかもしれない」と述べているが、素直な反省は感じられない言葉である。


 
今回の問題は彼なりの正義感を押し通した結果なのだろうが、ひいき目に見ても大多数の賛同を得られるはずのない行動だった。

 自分はいい提案をしているのに議会が認めないから議会を開かず、全てを専決処分をくり返し、自分に従わない職員を懲戒免職にした。

 こんな恐怖政治は許せるはずがないが、さらに驚くのは懲戒解雇を無効とする裁判所の最低まで無視するにおよんでは、狂気の沙汰としか見えなかった。


 
最悪だったのは、自身のブログで「高度医療のおかげで機能障害をもったのを生き残らせている」と発言したことだ。(今日、竹原市長のブログを確認してみたら、この発言は削除されているようだった)

 このとき、「表現が障害者を差別しているかのような誤解の原因となった。そのことで心配をおかけしたことを申し訳ないと思っている。」と話しているが、報道陣からの「謝罪か」の問いには、障害者を差別したものではなく、謝罪する理由はない」と答えている。

 私は、当時、このブログを読んだのだが、「機能障害をもったのを」という言い方に、許しがたい怒りを覚えた。 

 私は、この竹原氏のブログを見るまでは、やり方は極端すぎて認められないが、竹原氏の根本的な考え方についてはエールを送っていた。

 しかし、「高度医療が」「機能障害をもったのを」「生き残らせている」という発言を聞くにいたっては、権力の強さに溺れてしまって、精神的に異常をきたしたのだとしか思えなくなった。



 国政を振り返ってみると、この数年で毎年のように総理大臣がかわっても一向に改革ができない。

 巨大化しすぎて閉塞状況に陥っている現状を打破するためには、だれにも有無を言わさず大鉈を振るう、狂人的な指導者の到来を期待することもあるのだが、一人に権限を与えてしまう怖さをあらためて感じた、今日の出来事だった。

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