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2010年11月 8日 (月)

自殺者遺族に高額慰謝料

今朝の日経新聞に、結構大きなスペースをとったこんな記事があった。
「自殺で家族を失った遺族が高額の家賃保証や慰謝料を請求され、トラブルになるケースが後を絶たない。自殺に伴う損害賠償については法律的な基準がなく、「負い目」らかそのまま支払う家族も多いという。年間自殺者が12年連続で3万人を超えるなか、遺族らは「二次被害で傷つけられている」と、基準となる法律の制定を求める署名活動を始めた。」

9月28日に読売新聞に同じような記事があって、そのときも書いたのだが、なかなか微妙な問題だ。

今日の日経新聞の記事に、今年3月に実弟が自殺したマンションの家主から900万円の請求を受けた京都府の40代の女性の話があった。

請求の内訳には、部屋のリフォーム代や残された契約家賃に加えて、「自殺後に契約がキャンセル」になったとして、6部屋の1年分の家賃約500万円が含まれていた。

女性は「遺族の負い目につけ込んで請求額を上乗せしているとしか思えない」と憤っていた、と報じている。

この女性は、金額に納得できず、現在裁判で争っている。

読売新聞にも登場していた「全国自死遺族連絡会」という会がには、こうした不動産がらみのトラブルの相談が200件以上も寄せられている。
 
中には、息子が住んでいたアパートの建て替え費用として1億2千万円を請求されたケースもある。
 
「全国自死遺族連絡会」の世話人の方は、「周囲に自殺を隠しているため<泣き寝入り>する遺族も多い」と言われている。
 
不動産業を営む私にとって、非常に悩ましい問題である。
 
自殺したからといって、アパートの建替え費用1億2千万円の要求はあまりにも法外な請求だと思う。
 
9月にも書いたのだが、不動産取引をしている立場でこの問題を考えると、非常に悩ましい問題だ。

自殺をされた家主さんの立場を考えると、損害賠償を請求するのは当然だろう。
 
今日の記事の中にもあったが、殺人事件や自殺があった物件は、心理的瑕疵(かし)物件と呼ばれ、不動産価値が下がるため損害賠償要求が認められている。

家主のほとんどは借金をしてアパートを取得している。

その借入金を支払う方法は、当然家賃でしか支払う手立てがないのだ。

質人事権や自殺があった物件は不動産価値が下がると言っているが、不動産取引に従事している立場からすると、下がるといった程度ではない。ほとんど無価値と言っていいほど値打ちが下がってしまう。

不動産業者は、殺人や自殺があった、いわゆる心理的瑕疵のある物件については、購入者や賃借人に対して説明する義務がある。

私の経験上では、格安の家賃に設定しても「ここは以前自殺があった部屋です」と説明したら、借りる人はまずいない。

それどころか、自殺があったアパートの住人で退去する人まで出てくる。

不動産業の法律では、自殺があった部屋以外の部屋については説明する義務は免れるのではないかと思うので、あえて説明はしないでもいいのだが、隣の部屋で自殺があったとなると入居後にクレームをつけられるお客様もいるだろう。

莫大な借り入れをしてアパートを建てた家主にとっては、空き室が多くなることは死活問題になる。

それこそ大家が自殺に追い込まれることもあるだろう。

今日の新聞記事で被害者(?)として報じられている女性は「遺族の負い目につけ込んで請求額を上乗せしているとしか思えない」と言っているが、家主の話も聞いてみないとわからない。

請求額に「自殺後に契約がキャンセルになった」6部屋の1年分の家賃500万円が含まれていわけだが、3月は移動の集中する月である。

3月に契約して4月から入居という契約が多く、4月を過ぎると賃貸物件の移動は極端に少なくなる。

その時期だから、6部屋のキャンセルがあったということも、あながち「負い目につけ込んだ上乗せ」とは言えないのではないかと思ったりもするわけだ。

家主にとっては、生きるか死ぬかの覚悟での請求だったかもしれない。

この問題は、それぞれの言い分を冷静にかつ公平に聞いてみないとわからない。

この問題に限らず、民事の問題は一方が得をすると一方が損をするということが多い。

ことに人の死という深刻な問題がからむと、解決は容易なことではない。

今後、テレビを始めとするマスメディアが、どちらか一方の立場に偏った報道にならないことを祈る。

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