「開運!なんでも鑑定団」と「鬼の指し値」のお客さん
「開運!なんでも鑑定団」という番組がある。
各家庭に眠っている「お宝」を、その筋の専門家に鑑定してもらうという番組だ。
私の好きな番組のひとつでもある。
それこそ玉石入り交じった品々が鑑定に出されることになる。
思いもかけない品が国宝級の美術品だったりすることもある。
過去には5億円の値段のついたものもある。
その反面、偽物を本物と信じきって鑑定に出してくる人も数多い。
有名な画家や作家の偽物をつかまされている人の多いことに驚く。
この番組を見ていると、骨董品屋さんは詐偽集団のように思えてくる。
詐偽集団と言えば、不動産業界も昔は詐欺師・ペテン師のように言われ、悪徳不動産という呼び名がまかりとおっていた時代がある。
昔は不動産の取引の指標になるようなものが少なかったから、とんでもなく安い価格で買いたたいたり、法外な高値で売りつけたり、はたまた家が建てられない土地を買わせたりという話があったようだ。
しかし、最近では「宅地建物取引業法」の規制が厳しくなってきたことや、インターネットをはじめとした情報公開が進んできたことによって、昔のような「悪徳不動産」は成り立たなくなっている。
私の住む延岡市では、ぼろ儲けをしている不動産会社は、私の知る限り一社もない。
ことに私がつきあっている不動産業者は、気が弱くてで生真面目な人が多い。
恥ずかしながら、お客さんをだますどころかお客さんにだまされることが少なくない。
と、長い前置きになってしまったが、昨日、私がお客さんに「してやられた」という事件があった。
事件と言うほどのことでもないし、私に被害はまったくないのだが、一つ間違えばトラブルにまきこまれることになっていたかもしれない話だ。
私は、月に2回、仲のいい不動産業者12社と不動産の情報交換会をやっているのだが、昨日、その情報交換で、私が今年の6月に売った物件を他の不動産会社が売却を頼まれて売りに出していた。
私から買われたお客様が、自分でリフォーム?してなんと3倍以上の価格で売りに出してきた。
この住宅売ったときのいきさつは印象深いものがあった。
お客さんは年配の型で、年寄りでお金がないからと言って2回も3回も値段を値切ってこられた。
値切り方があまりにもひどかったので、「もうお客さんには売りません」とお断りしたのだが、それにも懲りずに何度も来店されて値切られる。
「気に入っているのでなんとか安くしてほしい」と言うのだ。
売主は私の妻だったから、私の判断でそのお客さんの指し値を了解して売買契約をした。
契約をして手付金を入れると、残金の支払いの前に家のリフォームの見積りをしたいので鍵を貸してくれということで鍵を貸した。
その何日か後、その家を確認に行ったら、家の窓が開きっぱなしになっている。
ビックリして家に入ってみたら、その方が自分で大工仕事をして改装を始めているではないか。
契約違反になる行為だが、私の妻が売主であったため私が事後了解した。
この物件は市街地から遠く、なかなか売れなかった物件だ。
そもそも、このお客さんは市内の便利のいい場所に大きな自宅を持っていてそれを売りに出していた方だった。
それで、なにか事情があって安い物件に買い換えるのだろうなと思っていた。
しかしこの物件は、近くに買い物をするところもなくお年寄りが住むには不便だった。
余りにもひどい値切り方だったし、買い物するところも病院も近くにないところだったので、「もっと年をとって車に乗れなくなったら生活に困りますよ。だから他を検討した方がいいのではないですか」と言うのだけど、「この緑に囲まれた環境が気に入った」「こんないいところはないよ」などと言っていた。
そんな言葉があったから、お客の指し値を了解して売ることにしたのだが、不動産屋の私とあろう者が、お客さんに買いたたかれていたというわけだ。
ただし、私はそのとき安くても売った方がいいと判断して、それを妻に伝えて売却したのだからこのことを恨みには思わない。
万一売ったときより高く売れても悔いはない。
今も自分の判断は正しかったと思っている。
しかし売主が妻でなかったら、売主さんは私の判断に不信感を抱かれただろう。
もっと高く売れたのではないかと責められることになったかもしれない。
ちなみに、安い物件を買っては自分で手直しして家賃収益を楽しんでいる大家さんが全国にたくさんいるようだ。
そんな人たちが自分の経験をもとに不動産運用の本を出している。
その中に「鬼の指し値」という言葉を商標登録申請予定にしておられる人がおられたが、その方の本を読んで私に「鬼の指し値」をしてきたのだろうか。
こんなお客様を相手に四苦八苦している「ヨダキンボ(宮崎弁でなまけもの)不動産屋さん」の今日の日記だった。
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