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2010年12月 8日 (水)

市川海老蔵事件とジョンレノン命日に思う

 30年前の今日、ジョン・レノンが暗殺された。

 通常ならどのテレビ局も取り上げる話題なのだが、今年は市川海老蔵事件にワイドショーの時間のほとんどをとられてしまったせいか、ジョン・レノンを大きく取り上げる番組は少ない気がする。

 私は、いわゆるビートルズ世代ではあるが、特別なビートルズファンでもはなかった。

 だけど、ジョン・レノンの訃報を聞いたとき、かけがえのない大事なものを無くしたような気がした。

 どうにかして、無くした落とし物を探し出して、もう一度自分のポケットに戻したいような心境だった。

 ケネディーが暗殺されたときにも同じような思いを感じた。

 ケネディーの暗殺は、当時開発中の通信衛星による日米間の初中継の当日だった。

 この歴史的な日に、歴史的に残る大統領暗殺事件が中継されることになってしまった。

 いずれも時間の針を戻したいと思う事件だった。

 そんな事件の一つに、三島由紀夫の市ヶ谷駐屯地での割腹自決がある。

 この事件も、私にとっては衝撃的な形で知ることになった。

 当時私は東京で学生生活をしていたのだが、三島の死を学校の帰りの電車の中で知ることになった。

 少し混み合いはじめた電車で隣の人が拡げている新聞の大きな見出しと写真を見たとき、三島由紀夫がまた新しい映画を作ったのだろうと思ったものだ。

 しかし、隣の人の新聞をもっとじっくり読んでみると、三島由紀夫が自決したということのようだった。

 その記事が目にとまったのが、ちょうど市ヶ谷駅を通過する直前だったというのも劇的だった。
 
 次の停車駅の新宿で降り、夕刊を買って事件を確かめたものだった。

 もう一つ、突然亡くなって生き返ってもらいたい人として尾崎豊がいる。

 尾崎豊については、彼の活動中はまったくその存在を知らなかった。

  正確には名前だけは知っていたのだが、それは当時のアイドルタレント「斉藤由貴」との密会の相手ということだけだった。
 
  尾崎豊の歌を初めて聴いたのは、彼の死後8年くらい経ってのことだった。
 
  飲み会の席で、後輩の歌う「I LOVE YOU」に心が揺さぶられた。
 
  50歳前のおじさんの私が、恥ずかしながら、衝撃を受けた。
 
  「誰が歌っているんだ?」と聞くと「尾崎豊」だという。
 
  そいつに、「ほかの歌も歌ってくれ」と頼むんで歌ってもらった歌が「15の夜」だった。
 
  これまた、恥ずかしながら50歳直前のおじさんの私が、思わず目頭を熱くしてしまった。
 
  このとき尾崎豊の存在を教えてくれた私の後輩が、それから数年前に自ら命を絶ったことが、尾崎の印象をさらに強いものにしている。
 
  いつまでも自分の心に残るという人の死がいくつかあるが、この5人の死はいずれもまだ生きていて欲しかった人たちの死だ。
 
 できるなら生き返って欲しいと思って来た人たちだった。

 「だった」というのは、今はそうは思っていない。

 彼らは、一番輝いていたときに人生を終えた。

 やり残したこともあったのかもしれないが、彼らは最高の輝きを放ち続けている。

 ジョン・レノンの命日を報じる番組で、「ジョン・レノンが生きていたら、どれだけすばらしい歌を作り続けたのでしょう」というコメントをしていた。

 ジョン・レノンが生きていればちょうど70歳である。

 私は、70歳のジョン・レノンを想像して、ジョンはあの時死んだからいつまでも私の中でジョンレノンであり続けるのだと思えた。

 ケネディーも三島由紀夫も尾崎も、あの年に死んでしまったことで人の心に生き続けることができるのだろう。

 ただ、若くして死を選んだ後輩だけは生きていて欲しかったとつくづく思う、ジョン・レノンの命日だ。

 

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コメント

こちらこそコメント頂きありがとうございます。 昨夜、ネットで宇多田ヒカルのライブ生放送があったんですが、アンコールで今日はジョンレノンの命日です。と前置きをしてアクローズザユニバースをギター弾き語りで歌っていました。 無期限休業に入る彼女が最後のコンサートでビートルズを歌う。 ホントに良い音楽が減っている今、若い世代へのメッセージなのかもしれませんね。

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