2011年度税制大綱と相続税対策
法人税5%減税の財源の一つとして相続税が増税になる。
個人分の増税として、給与所得控除の縮小だの成年扶養控除の廃止だのが増税になる。
これらの増税は、すべて、とりやすい給与所得者を狙っての増税だ。
私も給与収入があるので影響を受けるのだろうが、これによる増税額がどれくらいになるのかは皆目わからない。
来年度の税制大綱について、テレビではコメンテーターや評論家の先生があれこれ解説されているが、日本経済にどんな影響を与えるのかは、私にはよくわからない。
ただ、相続税の増税については、その影響と問題点について敏感に感じるものがある。
私は不動産業と行政書士の看板をあげている関係で、相続税についての相談を受けることも少なくない。(全部が無料相談(泣))
しかし、今までの相談で相続税を払わなくてはならない人は皆無だった。
私は相談を受けたとき、「あなたの親御さんからの相続財産は1億円以上ありますか?」と聞くことにしている。
ほとんどの人は、「そんなにあるわけないじゃないですか」と答える。
そして私の答は、「だったら相続税の心配はしなくていいですよ」ということなる。
それだけでは合点がいかないだろうから、相続税のあらましを説明することになる。
現在は相続税の基礎控除は低額部分が5000万円で、それに法定相続人1人あたり1000万円を加えた金額を控除できる。
夫が亡くなって、妻と子ども2人で遺産を相続する場合、5000万円+1000万円×3の8000万円の控除があるわけだ。
それに、相続財産のうち土地については、相続税の計算に使う課税価格は土地の時価価格では路線価の価格で評価する。
「路線価」というのは、相続税を計算する上での価格を国税庁が決めている価格のこと。
相続税上の土地の価格は原則は時価ということになっているだが、土地の時価については決定的な評価法がないので、国税庁が毎年発表してる「路線価」を基準にすることほとんどだ。
「路線価」は概ね時価の7割から8割程度とされている。
さらに、相続税を支払うために自宅を手放さなければならないということを防ぐために、240㎡までの宅地は評価額を8割カットできることになっている
そういうことで、私が「相続財産は1億円ありますか?」と聞くわけだ。
通常、相続財産の大半を不動産が占めるから、不動産の時価相当額と金融資産の合計が1億円をこした時に相続税の心配をすればいいと思っている。
残念ながら、「よだきんぼ(宮崎弁でなまけもの)不動産」を自称する私は、そんな富裕層の方とのお付き合いが少ない。
それに、相続税を心配しなくてはいけないような人は、毎年の税金申告に税理士を頼んでいるものだ。
そして、こっそり?と相続税対策をしておられる。
だから、第三者に相続税の相談をすることはない。
今回の相続税の改正では、低額部分の5000万円が3000万円に、相続人1人あたりの控除額1000万円が600万円になる。
つまり、夫の財産を妻と子ども2人で相続する場合、8000万円までは相続税がかからなかったものが、改正後は4800万円を超すと相続税がかかることになる。
それでも、私の住む延岡市(宮崎県)おいて、普通のサラリーマンで相続税の心配をする必要のある人は少ないだろう。
しかし、東京のような地下の高いところではサラリーマン世帯も課税対象者となるケースが出てくるだろう。
現行4万人程度と言われている相続税の課税対象者が7万人に増えると予想されている。
それに該当する人たちは不満もあるだろうが、相続税にまったく無縁の多くの庶民を代表する私としては、相続税を支払う身分の人がうらやましい限りなのだ。
最期に一言、相続税課税になると思われる方は、お抱えの税理士さんがいらっしゃるでしょうが、相続税の節税案について税理士との協議の中に私を加えると、ちょっと税金がやすくなるかもしれませんよ。
その節はよろしくお願いします、と珍しく自分の仕事の宣伝をした、今日は12月18日。
書き忘れていたが、基礎控除の削減に併せて、相続税の最高税率が50%立ったものが55%に増額されている。
これも富裕層に対する増税になる。
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