延命治療を拒否した和田勉さん、事前指示書作成のすすめ
和田勉さんの死去の報道が印象深かかった。
「ガハハ」という大きな笑い声と、おやじギャグを連発するのが印象的な方だった。
私はNHKは見ないからNHKのディレクターとしての和田さんは知らない。
私が知っているのはNHKを退職してからの和田さんだ。
民放のバラエティー番組に出ていて、やたら大きな声だったことと、「ガハハ」の笑い声、つまらない駄洒落を絶え間なく繰り出す、へんなおじさんだとしか思っていなかった。
とにかく、「豪放磊落」という言葉がぴったりのおじさんだった。
この度の訃報で、NHKで多くのドラマを手がけ、昭和のテレビドラマに新風を吹き込んだた超大物ディレクターだったことを改めて知らされた。
私が和田さんの死去報道を印象深く思ったのは、和田さんが2年半前に食道上皮ガンの告知を受け、手術も延命治療も拒否し、病院や老人福祉施設で緩和ケアを受けながら最期をむかえたということだ。
ワイドしーょでも大きく取り上げられ、そんな和田さんの生き方(死に方)について「なぜ一切の治療を拒否したのだろう?」と不思議そうに疑問を呈する人たちがたくさんいた。
しかし、私は和田さんの身の処し方は私にとっての手本であると感じている。
このように潔く死にたいと思っている。
和田さんは享年80歳。
ガンの告知を受けたときは77歳だった。
そして、手術や延命治療は一切拒否して、痛みや苦しみをとる緩和ケアを受けながら最期をむかえたわけだ。
手術を受けていたら、あと何年生きられたのだろう。
和田さんは、手術をして声を失い、抗ガン剤の苦しみに耐えながら、病院のベッドにしばりつけになって数年長生きするよりも、痛みや苦しみは極力和らげて最期まで自分らしく生きて寿命を迎えようと決断されたわけだ。
父と母の最期を看取って以来、まだ漠然とだが自分の死に方についてあれこれ考えることがある。
そんな本もよく読む。
「死ぬときに後悔すること25」「達者でポックリ」「平穏死のすすめ」等々。
いずれも看取りを手がける医師の書いた本だ。
本の内容については、別の機会に詳しく触れたいと思っているが、「達者でポックリ」というにある「死に時を間違ってはいけない「「生きたくないと思っても死なせてもらえないことになる」という言葉に実に同感するのである。
団塊の世代が高齢化を迎えることになって需要?が多いからなのか、このところこんな内容の本が数多く出版されている。
最近、曽野綾子さんの「老いの才覚」だとか、中村メイコさんの「人生の終いじたく」がベストセラーになっている。
いずれも立ち読みしかしていないのだが、中村メイコさんの「人生の終いじたく」は私が言いたかったことがそのまま文章になっているような気がする。
また、本だけではなく新聞、週刊誌や雑誌でも同じような内容の特集がよく組まれている。
朝日新聞に「患者を生きる」という連載コラムがあって、さまざまな病気を題材にしてきたが、今年1月11日から始まったテーマは「命のともしび そのままで」。
その第一回目の副題は「『自然に逝く』願い通り」というものだ。
それぞれのテーマは5回から6回連載されており、昨日からは「命のともしび 事前指示書」となっている。
「指示書」とは自分の死に方についての遺言のこと。
意識していない人にとってはまったくの他人事で気がつかないだろうが、新聞に掲載される週刊誌や雑誌でも、しょっちゅう同様の特集が組まれている。
私は、「事前指示書」は数年前に作成して常に携帯している。
こんなことは元気だからできること。いざ、本当に自分が死に直面したときには、うろたえて何にもできないだろう。
かく言う私だが、いざ自分がその場に立たされたとき、和田勉さんみたいに潔い決断をする自信はない。
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