賃貸物件のエアコンの修理代は?
管理しているマンションの入居者から、エアコンが故障したという連絡が入った。
このマンションは、賃貸専用のマンションではなく、分譲マンションの所有者が自室を賃貸にしているものだ。
賃貸にする際、今まで自分が使っていたエアコンをそのまま賃借人が使っていたもの。
当市の場合、どういうわけか1ルームマンションはエアコンが標準装備だが、2DK,3DKにはエアコンがついていないというのが標準だ。
もともとはエアコンがついていなかった部屋でも、前の入居者が自分で設置したものをそのまま残して言ったり、今回の場合のように家主が使っていたものをそのままにしているものがある。
そういった場合に問題になるのが、エアコンの修理代が家主の負担にするのか借主が負担するのかということだ。
エアコン付ということで賃貸借契約を締結していれば、エアコンは物件の付帯設備であり修理は当然家主の負担となる。
ここで問題になるのは、本体の修理は家主だが、小修理は入居者が行なうということだ。
通常、賃貸借契約書では、電気のスイッチが故障しただとか水道のパッキンが磨耗して軽い水漏れするというな、小さな修理は入居者の負担で行なうこととなっていることが多い。
しかし、できればお金は出したくないというのが人の常。
いざ修理が発生すると、借主は家主の責任だと主張し、家主は借主が修理すべきと、一悶着あることが少なくない。
ただし、ほとんどの場合は私たちの判断に従っていただいて決着する。
しかし、金輪際出すものは出さない。出すのは舌を出すのもいや。という人たちがぶつかり合うと、間に入った私たちは大変なのだ。
経験上、「通常これは借主(もしくは家主)の負担ですよ」と助言しても、なんだかんだと理屈を並べて相手側の負担にしようとする。
それぞれが当事者なのだが、相手が強行だと、被害を被る側の人は間に入った私たち不動産業者に責任を転嫁してくる。
そうならないように、契約の時に具体的に家主が負担するべきものと借主が負担するべきもの説明をするようにしている。
今回問題になったエアコンは、家主が使っていたエアコンがまだ使えるものだったので、入居者の方がそのまま使われるのなら使ってください。
ただし以後の修理は入居者で行なって下さい。
それが嫌で自分で新しいものをつけたいという場合は、今あるエアコンは家主のほうで撤去します、というものだった。
明確にこんな説明をしておけば、ほとんどもめることはない。
さらに、それを明文化しておく必要がある。
自分にとって都合のいいことは覚えているが、都合の悪いことは忘れる人がいるようで、「そんな話は聞いていない」ということが、まれに起こる。
今回のエアコンの場合、それに似た問題が起こった。
契約の際案内した担当社員が、そのことについて大きな問題意識をもっていなかったのだ。
そういう説明をしたかもしれないし、してないかもしれないというのだ。
契約書の前に説明する重要事項説明書にはエアコン有りとなっている。
エアコンがあったから、なにも思わずエアコン有りとしたようだ。
この書面からいくと、エアコン付きで貸したことになり修理は家主の負担になる。
幸い家主さんが非常に良い方で、「入居者の人に気持ちよく住んでもらいたいから私がしゅうりしますよ」ということで事なきを得た。
普通の家主さんだったらこんなにすんなりは納まらなかったところだ。
注意をしていてもミスは起こる。
ミスをしても、一所懸命仕事をしていて犯したミスで軽微なものなら、きちんと説明すれば許してくださるお客様がほとんどだ。
しかし、ミスは一切許さないというお客様に出会ったとき、泣きたくなるくらい困ってしまうこともある。
そうならないように、細心の注意を払わなければならないことを再認識させられた。
担当者まかせにしていた自分を反省した、昨日1月14の出来事だった。
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