岡本ホテルを巡る詐偽容疑事件
私が仕事でお世話になっているお客様が面白い話をしてくれた。
その社長は、本業も儲かっているが、不動産にも目が効き、大型の物件をちょくちょく買われる方だ。
私も何回か売買していただいていて、年に何度か顔を出している。
ある日、ちょっとした用件があってお訪ねした。
すると社長から、「ところで、あんた、○○不動産という不動産屋を知っちょるけ?」と聞かれた。
「知ってますけど、何かありましたか?」とおたずねした。
社長は、「面白い不動産屋でね・・・」と話を続けられた。
その不動産会社はトラブルの多い会社なのだ。
話によっては助言をしなければと思いながら、社長の話を聞いていた。
「その不動産屋は、突然儲け話を持って来たので聞いてくれと言ってきたんだよ。そして地図と大きな図面をだして、ここに市が大きな開発計画をしていると言うんだ。」
それで何が言いたいのかと思ったら、計画地ないに土地があって、その土地を5000万円で買っておけば、すぐに2億円で売れることになっている、という話だったそうだ。
「ウワッ!危ない。そんなにうまい儲け話に乗ったら大変ですよ。」と言おうと思ったのだが、社長の話は止まらない。
「な?面白い話だろう?」
「面白いって、そんなうまい話に乗ると危険ですよ。」と私。
「あんたね、そんなに人を疑ってはいかんよ。世の中には、濡れ手で粟みたいに儲かる話もたまにはあるんだよ。」と社長。
さらに社長の話は続く。
「だからワシはその不動産屋に言ってやったんだ。それはすごく良い話だね。しかし、あんた、来るところを間違っているよ、とね。」
そうしたら、その不動産屋は、「来るところを間違っている?」とポカンとしていたそうだ。
その意味が私にも理解できなかった。
「私の会社は小売業だよ。おたくの話は銀行に持っていくべきだよ。そんなに確実にもうかる話なんだから、銀行がいくらでも貸してくれるよ。この先に○○銀行かあるから、そこにいった方がいいですよ」と言ったというわけだ。
なんと、さすがは儲かっている会社の社長。
私に対しても、その不動産屋さんの持ってきた儲け話には一言もケチをつけず、ほめまくるだけ。
その後も、その不動産屋の応酬話法には一切耳を貸さず、銀行に行きなさいとだけ言ったことだろう。
普通に考えれば、当たり前のこと。
5000万円の土地の売買を仲介しても、もらえる手数料は最大でも300万円とちょっと。
確実に1億5000万円以上儲かるのなら、ヒトが買うのを邪魔しても自分が買うというのが普通だろう。
世の中に、そんなにうまい話はない。
確実で、安全に儲かる話には銀行がいくらでもお金を貸してくれる。
しかも、1~2%の低金利でだ。
最近も、岡本ホテルを巡る詐偽容疑事件が大きく報道されている。
直接の容疑は3億円をだましとったというものだが、グループは5年間で、約8千人から二百数十億円の金を集めたとされる。
繰り返しになるが、「世の中にそんなにうまい話は無い!」
あなたが、本当に儲かる話を見つけたら、それをヒトに教えますか?
絶対に誰にも教えず、一人でこっそり儲けるでしょう?
ね?お人好しのあなたでもそうなのだから、商売人がヒトに儲ける話を持ってくるわけないですよ。
うまい話を持ち込まれたら、この社長さんを真似て、銀行に行くようにすすめてみてはいかがだろうか。
欲に目が眩んでだまされる人にも罪はあるのではないだろうかと思う、今日は2月10日。
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