諫早湾開門をした場合の環境影響評価 アセスメント
農林水産省が諫早湾干拓事業で長期の開門をした場合の環境影響評価の素案を発表した。
「アセスメント素案」と言からなんのことだろうと思った。
アセスメント=評価。
「アセスメント」という単語は何度も耳にしているが、いままで意味をつかんでいなかった。
今回の諫早湾開門のニュースでやっとその意味を知った次第。
諫早湾の問題は、ギロチンと呼ばれた潮受け堤防の閉め切り工事が鮮明に記憶に残っている。
もともとは戦後の食料不足の解決のための干拓事業ということから発想された事業だった。
その後、過剰米が問題になる時代になって、干拓事業の是非が激しく争われた。
日本最大の干潟の喪失が環境破壊につながるということで、猛反対運動が続けられた。
しかし、結局潮受け堤防は完成し、湾は締め切られた。
その後、有明海では養殖海苔の大凶作を始めとして、漁業に大きな不振が次々と現れ、事業との関連性が疑われた。
漁業不振の因果関係が潮受け堤防にあるのかどうかを明らかにするために、潮受け堤防の開門を迫る訴訟も起こされている。
その真偽は未解明なのだが、どう見ても潮受け堤防が環境に悪影響を及ぼしているように思える。
当時、潮受け堤防の閉め切り作業(ギロチン)を阻止するために、身を挺して工事妨害をしていた反対者の姿も印象に残っている。
総工費2533億円。
そして、今回の環境影響評価の素案によると、全面開門するためには、水害や農業、漁業被害を防ぐ事前対策費1077億円が必要だという。
国民の大多数が反対を無視して2533億円を費やし、その工事が環境に悪影響を与えているのかもしれないということで、その修復に1077億円がかかるという。
事業が必要な一番の理由は、2533億円という巨額の工事費だったのではないだろうか。
2533億円の工事にかかわる人たちにとって、工事中止は死活問題だろう。
前々からの私の自論なのだが、無駄な巨額の公共工事は中止して、その工事から得る利権を期待している人たちに、その利権分だけのお金を支払った方が、はるかに税金の節約になる。
巨額の公共工事には、多くの利権が絡み合っている。
巨額の税金を投入して、それに群がる多くの人がその利権に浴している。
工事が中止になると困る人がたくさんいるわけだ。
ゼネコン。
ゼネコンからの政治献金を期待する政治家。
その他いろいろ。
その人たちに、ごめんなさいと言って、その人たちが期待していた利益のみを分配することで工事を中止した方が、財政的にも助かるのではないだろうか。
そんなバカな短絡的な発想が、何十年も前から私の頭を駆けめぐっている。
なんか変だと思っても、国民の声がかき消されるのが政治の常道なのだろう。
明日の命も危うい被災者のことはほったらかしで、我が身の保身に明け暮れる政治屋さんの今の姿を見るにつけ、それが政治の常道だと思ってしまった今日は6月10日。
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