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2011年6月10日 (金)

被災者の相続放棄

 運転しながら国会中継を聞いていたが、被災者の救済、被災地の復旧のための議論とはほど遠い。

 あげ足取りと、自己弁護。

 不毛の議論をくり返している。

 国民はこんな人たちに命をあずけているのかと、情け無くて、悲しくなって、すぐにスイッチを切ってしまった。

 明日で、東日本発生から3カ月になる。

 民法915条で、「相続人は、自己のために相続の開始があったことを知った日から3カ月以内に、承認または放棄をしなければならない」と定められている。

 被災地では弁護士たちが「相続の放棄の申し立ては3カ月以内」という民法の規定に注意を呼びかけているという。(朝日新聞6月9日)

 相続は財産を相続するだけではなくて、負の遺産(借金)も相続する。

 相続財産よりも負債(借金)が多い場合は、相続を放棄することによって負債を相続することを免れることができる。

 また、民法922条では、「相続人は、相続によってえた財産の限度においてのみ被相続人の債務及び遺贈を弁済すべきことを留保して、承認をすることができる」と定められている。

 これを「限定承認」と言う。

 簡単に説明すると、相続財産より負債(借金等)の方が多い場合には相続をするが、負債(借金)が相続財産を上回る場合は相続を放棄するということもできるのだ。

 相続放棄や限定承認をするには「相続の開始があったことを知ったときから3カ月以内」にしなければ、相続を承認したことになるというわけだ。

 その判断をするためには、財産の状況及び負債の状況を精査する必要があるわけだが、被災者がたった3カ月でそれを調べるのは難しいことは容易に想像できる。

 しかし、現行の法律では3カ月以内に相続放棄の手続きをとらないと、無くなった親族の負債(借金)を相続してしまうことになる。


 これは余談だが、消費者金融等の貸し金業者は、お金を貸し付けた当人が死亡した場合、3カ月たってから相続人に借金の取り立てを始めるという話がある。

 3カ月以内に取り立てに行くと、相続の放棄をされて借金を回収できなくなるこことがあるからだ。



 この、相続を放棄するか承認するかを決める3カ月間の期間は、裁判所に申し立てることによって延長は認められる。

 財産と負債の状況がわからない場合、裁判所に期間の延長を申し立てれば期間は延長になるわけだ。

 しかし、それを知らずに、申し立てをせずに3カ月を経過してしまうと、相続を承認したことになってしまう。

 それで、今回の震災において、期間の延長を申し立てなくても、特別立法によって相続放棄の申立期間を3カ月から1年にすることを、日本弁護士連合会が法務省に要望している。

 法務省は、期間延長には消極的らしい。

 複数の相続人がいて、1人が相続するか放棄するか決めないことで、相続したいと考える人が相続できないという不都合がある。

 また、借金を回収したい人がいつまでも回収できないことにもなる、というのが法務省が消極的になる理由だ。

 なるほど、一方の立場だけではものごとは決められないということを知らされた次第。


 しかし、相続の延長を認めることで救うべき人の方が圧倒的に多いのではないだろうか。

 いずれにしても、それを立法化するためには国会が動かなくてはいけないのだ。

 このことに限らず、被災者を救うため、被災地の復旧のために、多くの特別立法の制定の必要性が迫っているずだ。

 政治屋たちは、いつになったら被災者に目を向けてくれるのだろう。

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