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2011年6月 8日 (水)

震災による不動産賃貸のトラブル

 震災関連だが、久々の本業ネタ。

 東日本大震災に関して各地の消費者センターにさまざまな相談が寄せられている。

 震災に便乗した悪質商法や、便乗詐偽の相談にまじって不動産の賃貸借に関する相談も多いようだ。

 生活全般のトラブルの相談の中で、不動産の賃貸借の問題に関するものが14%で最も多いそうだ。

 今日の朝日新聞でこの問題に触れていたが、茨城県の60代の男性は、住んでいる借家の土台が地震でヒビが入り家が傾いたため、仲介した不動産業者に点検と修理を依頼したところ、「直す気はない。嫌なら出て行け」と言われたそうだ。

 記事だけを読むと極悪不動産業者のように感じてしまう。

 しかし書かれている文面だけのような不どさん業者がいるのだろうか。

 おそらくは、家主も被災者ではないのだろうか。

 家主の自宅はもっと大きな災害にあっているのかもしれない。

 地震で傾いた家を修復するには巨額の費用がかかることだろう。

 家主が修理の費用を捻出するのは容易ではないことは想像できる。

 だから家主としては、「修理をする力はありません。申し訳ないけど、住むに耐えないのだったらでていただくわけにはいかないでしょうか」というようなやりとりをやっていたのではないだろうか。

 しかし、借家人としては自分の権利を主張するのも当然で、家主には修繕義務があるから直してくれと主張を続けていたのではないだろうか。

 そんなやりとりの繰り返しの中で、前出の「嫌なら出て行け」発言に及んだという流れではないだろうか。


 実際に不動産仲介業をやっていると、平常時でも似たようなトラブルに遭遇することは少なくない。

   家主がなすべき家の修理について、家主に余力があればいいのだが、家主にまったく余力がないときには同様の問題が起こる。

 法律的には、「居住の用に耐えないほど、あるいは居住にいちじるしい支障を生ずるほどにいたったとき」に、家主の修繕義務が具体化することになります。

 これを「必要費」と言って、家主が修繕に応じない場合は、借家人が修繕して支払った費用を直ちに家主に請求できるということになっています。

 しかし、居住の用に耐えないほどになったとしても、それを修繕することが、物理的にも経済的にも可能であることが必要です。

 莫大な費用がかかりすぎて、家賃とのバランスが大きくくずれるような場合には修繕義務はまぬがれる場合もあります。

 不動産業者を介する賃貸借契約書には、「火災や天災地変等で建物がしよう不能となった場合は契約は終了する」となっているものが多い。

 地震保険でも家の傾きが3%で全壊として取り扱われる。

 今朝の朝日新聞の事例の傾きがどの程度かわからないが、傾きを直す費用は軽微な額ではないだろう。

 不動産業に携わる者として悩ましい問題だと双方の方に同情してしまう。


 ちなみに
、もし家主が修繕すべきとおもわれる修繕をしない場合、借家人としては修繕してくれなくて使用できない部分があるのならば、その分の賃料を拒むことができます。

 さらに、住めなくなって退去する場合は違約金は払わなくていいでしょう。


 

 

  

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