今日、全国の基準地価が発表されました。
日本には土地の評価なるものが、いくつもあります。
「固定資産税評価額」「路線価」「公示地価」「基準地価」「時価」
土地の「評価」と呼ばれるものが5つもあるのです。
不動産取引になじみのない人には、なにがなんだかわからないのが当たり前です。
不動産業に携わっている者にも、その意味合いをはっきりとわからないまま使っている人が少なくありません。
一度書いたことかもしれませんが、簡単にそれらの違いをお話しします。
「固定資産税評価額」は、わかりやすくいうと、固定資産税を徴収するために、国が定めた「固定資産評価基準」に基づいて市町村が算定します。
「固定資産税評価額」は、後述する「公示価格」の約70%程度が目安になると言われています。
不動産を取得したときにかかる不動産取得税(県税)、不動産登記の際の登録免許税も固定資産税を基準として課税されます。
「路線価」は、簡単に言うと相続税、贈与税の算定基準となる価格です。
これは、相続税法に基づいて、国税庁が調査し、価格を決定します。
評価時点は1月1日で、発表されるのは7月1日となっています。
この「路線価」は「公示地価」の約80%程度が目安になると言われます。
次に「公示地価」ですが、これは地価公示法に基づき、国土交通省が調査・算定する価格です。
公示価格は公共事業用地の取得価格算定の基準とされ、一般の土地取引の際に価格の指標となることを目的としています。
最後に、今日発表になった「基準地価」とは、評価の方法などは公示地価とほぼ同じものであると考えていいものです。
国土交通省が主務官庁であるのも「公示地価」と同じですが、調査の主体が都道府県となること、また価格の基準日が「公示地価」は1月1日であるのに対して基準地価の基準日は7月1日となることが大きく異なる点と言えます。
基準日が7月ずれることで、その土地の地価動向を見る指標にされます。
また、「公示地価」で「標準値」と言われる調査対象地が、「基準地価」においては「基準値」と呼びのも違いですね。
そして、実際に取引される価格が「時価」です。
公示地価は、土地の取引を行なう際の指標となるように定められているのですが、公示価格が売買価格の基準になることはほとんどありません。
不動産バブルの頃は、公示地価をはるかに上回る価格で取引されていましたし、バブル崩壊後20年を経過した今、売れにくい物件につきましては、公示価格はおろか固定資産税価格を下回る価格での取引も見かけます。
価格上昇期、価格下落期、いずれにしても公的価格は実勢価格を後追いする傾向にあります。
以上が、「固定資産税」「路線価」「公示地価」「基準地価」「時価」の簡単な説明です。
不動産業者にとっては、緩やかなる土地価格の上昇がが続くときの方が仕事がやりやすいと思います。
バブル崩壊からの20年余、すべての公的価格は下がり続けています。
当地(宮崎県の北端の街、延岡市)では、バブルの恩恵を受けた金額も期間も本の一瞬でした。
しかし、バブル崩壊後の苦しみは今も続いています。
「路線価」「公示地価」「基準地価」が発表されるたびに、地価が下がり続けているという報道が行なわれる。
それを見た消費者の方々が買い控え傾向に向かわれます。
併せて、少子化傾向。地価の下落傾向が完全にとまることはないように思えます。
と、ちょっと弱気なつぶやきをしてしまった、今日は9月21日。
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