TPPって、本当はどうなんだろう?
TPP問題が大きな話題になっている。
産業界は大賛成。TPPへの参加なしには日本の未来は無いというような意見である。
一方、猛反対の声もある。
その代表格は農業関係団体。
貿易を自由化すると日本の農業は壊滅すると言っている。
医師会も反対していて、国民皆保険が崩壊するという。
現在の保険制度で認められていない混合診療が認められるようになると、保険診療が崩壊するというのだが、その理論は私には理解できない。
賛成、反対、それぞれの立場の人たちが、猛賛成(猛賛成なんて言葉があったかな?)猛反対をしている。
だけど、本当のことはどうなんだろう?
この問題を見ていて思い出したのが、35年以上前に私の住む町(宮崎県の北端の街、延岡市)で巻き起こった、ダイエー出店反対運動のことだ。
当時私は、家業の靴屋の手伝いをしていたのだが、延岡市内の商店街をあげて出店反対運動をしていた。
この小さい町での新たな大型店の出店により、既存の小売店は立ち行かなくなる。
その結果小売店が消滅してしまい、消費者も近くで買い物ができるという利便性を失うというのが反対の理由だった。
当時、まだ若造だった私は、度々、商店会の会合に出席させられ、そこで商店会の幹部の人たちから反対の理由を何度も聞かされたものだった。
反対理由を信じこみ反対運動に積極的に参加していった。
当時あった、大型店の出店を規制する法律により、ダイエーの出店は見送られた。
そしてダイエーの出店は凍結された。
その後、出店を規制する法律が緩和され、最初の出店予定から遅れること20年後にダイエーは出店した。
それに続くようにジャスコも出店した。
20年の歳月で時代が変わり、小品種大量販売のダイエーは低迷し、出店後7年で撤退した。
ダイエーとジャスコの同時出店で、既存の商店街の各店舗であったデパートと大型スーパーが倒産し、市内の商店も壊滅状態になった。
商店街に近接して出店していたダイエーの撤退に対して、住民はなんとか残留できないものかと希望していたのは皮肉であった。
この、ダイエーの最初の出店に反対したのは地元小売店。
当時の小売店の何割が生き残っているのだろう。
これは大型店の出店が原因ではなく、小売店が消費者の希望する商売をしていなかったからだろう。
当時私は小売業に従事していたわけで、客観的にそう感じた。
話を戻して、この話とTPPの関連だが、反対運動でダイエー出店の凍結を達成した後、私の所属する商店街のリーダーがもらした言葉が衝撃的な印象でいまだに残っている。
町を挙げて反対運動で、新聞社も反対意見の投書を頻繁に取り上げ、消費者も大型店の出店は町の衰退を助長するという意見に傾いていた。
反対のリーダーが、この世論形成は、商店街だけではなくて、延岡市における大型店の一つであった旭化成の経営するスーパー旭サービスとの大いなる連携があったということを自慢げに話したのだ。
一切表面には出てこなかった旭サービスが、反対運動の運営に大いに力をかしていたというわけだ。
純粋に商店街のために反対運動をしていた私は、だまされてしまったと感じた。
反対したのは、大型資本の傘下会社の旭サービスの思惑のもとではなかったのか。
結局、商店街は疲弊し旭化成・旭サービスと提携した形でジャスコが出店した。
2度目のダイエー出店については、市民から反対の声は一切出てくることはなかった。
そして、ダイエーの出店と同時に旭サービスの跡地にジャスコが出店。
若い私にも、なにか見えざる力が裏で働いていたことはわかった。
長い話になったが、TPP賛成にしても反対にしても、自分の都合のよいように末端の人々を動かす、見えざる大きな力が潜んでいるはずだ。
私は、じっと真実を見てみようと思っている。
« ビー玉を作っている唯一の会社が宮崎県の門川町に。 | トップページ | TPPって、本当はどうなんだろう?② »
「日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事
- 宇崎竜童さん(2023.09.16)
- 9月1日 新学期 関東大震災の日(2023.09.01)
- 積み残し(2023.08.27)
- お釈迦様の手のひら(2023.08.19)
- 延岡市中の花屋さんの花がなくなった(2023.08.18)
「経済・政治・国際」カテゴリの記事
- 河野大臣の言葉の軽さ(2023.08.22)
- 安倍総理はマイナンバーカードを持っているのか(2023.07.08)
- 北朝鮮のミサイルに日本は対応出るのか(2022.11.03)
- ここまでやるか 認諾(2021.12.18)
- アベノマスク(2021.12.14)
コメント