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2012年1月12日 (木)

「プロメテウスの罠 官邸の5日間」で、少し見直した菅直人前総理

 私のブログでも何度か話題にした、朝日新聞の連載記事「プロメテウスの罠」で今、3月11日直後の官邸に焦点を合せた「官邸の5日間」というシリーズが連載されている。

 「プロメテウスの罠」は、昨年の10月始めからの長期連載で、福島原発事故を検証する特集記事だが、その内容は東電、政府、行政の人命を無視した対応に批判的な姿勢を感じる

 ただし、感情的に反原発を一方的に煽るという作り方ではなく、取材した内容を冷静に伝えているように見える。

 署名記事でもあり、登場する証言も実名でのものだ。

 これまで取り上げてきた各シリーズでは、官民総ぐるみでの意図的な事故隠しともいえる事実を、いやというほど見せつけられて、憤りを感じると同時に、何にもできない自分の非力を虚しく思うしかなかった。

 こんな政治家たちに自分たちの命を託していることを悲しく感じた。

 今回のシリーズ「官邸の5日間」でも同じ感想を抱いていた。

 昨日今日と、菅前総理の事故直後の東電や原発関係省庁とのやりとりが詳しく報じられているが、その記事を見て少しほっとするものを感じた。

 菅さんは原発事故の最高責任者として、せいいっぱいの行動をとっている。

 当時のマスコミ報道で見ていた菅さんは、スタンドプレーばかりが目立っていて、手柄は自分、失敗の責任は他の者に押しつけるというふうに感じていた。

 しかし、菅さんは最高責任者として可能な限りの力をつくしていたのではないか。

 少なくとも、「プロメテウスの罠」から、私はそう感じた。

 反体制的な朝日新聞の記事であることが、その思いを強くさせる。

 福島原発事故後、政治家が、事故処理やその対応よりも自分たちの政治屋としての利益だけしか考えていないように見えた。

 そんな政治屋の無策に見える対応に、こんな政治家に命を託している自分の不甲斐なさをなげいてばかりいた。

 しかし、対応の結果の是非はともかくとして、指導者が国家のことを第一に尽力していた姿があったことを知らされ少し救われた思いだ。

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経済・政治・国際」カテゴリの記事

コメント

私も菅元総理の擁護派です。
今でさえ原子炉の状態がわからないのです。
その当時はもっとわからなかったはずです。
むやみな判断は,後で事実がハッキリしたときに,
勇み足だったと批判されたことでしょう。
結果論として,失敗だったかもしれませんが,
やむを得ないことだと言わざるを得ないと思います。
あの時,国家の最高責任者だったのは不運としかいえません。
それまでの数人の,仕事を途中で投げ出した総理たちに比べ,
なんと立派であったかと思います。

僕は、菅さんの擁護派ではないのですけど.....(^-^;

ただ、朝日新聞「プロメテウスの罠」 <官邸の5日間> を読むと、菅さんは最高責任者として最善を尽くしていたことは間違いなかったと思います。

政治不信の深淵から、少し抜け出させてくれそうな記事です。

共同通信によれば、「水素爆発が相次ぎ福島第1原発事故が危機的状況に陥っていた昨年3月15日未明、菅直人首相(当時)が東京電力本店に乗り込んだ際の「60(歳)になる幹部連中は現地に行って死んだっていいんだ。俺も行く」などとの発言を、東電が詳細に記録していたことが15日、分かった。」とのことです。
http://www.47news.jp/47topics/e/226717.php
このことはマスコミでは全く報道されなかったと思います。このことを最近知って、菅直人を見直しました。もし事故当時、野田が総理だったらと思うとぞっとします。

このところの東京電力の手前味噌の事故の検証報告で、
菅さんの行動が事故処理に悪影響を与えたかのような
ことを言っています。

マスコミの報道も、それを否定はしてません。

見えざる力が、原発容認に動いているようです。

安倍晋三議員は菅が海水注入を止めたと東電からのあやふやな情報を断定的な言い方でブログにあげて読売や産経がろくに調べもしないで大々的に報道。これから菅批判、菅降ろしが強烈になり退陣につながった。当時のマスコミ報道を今になって冷静にみてみるとマスコミの責任も大いにあると思う。

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