プロメテウスの罠 原始村に住む5
朝日新聞、原発問題の特集記事「プロメテウスの罠」については何度か書いた。
今、新シリーズ「原始村に住む」が始まっている。
「原始村」=「原発村」
このシリーズに実名で登場している木村俊雄さんの体験談には、強烈な恐怖を覚えた。
木村さんは福島第一原発がある福島県双葉町で生まれた。
母子家庭であったため、高校進学にあたって、東電学園を受けることにした。
東電学園とは東京電力が運営する全寮制の学校。
当時、東京都日野市にあり、卒業生は東電に入った。
優等生で学校の推薦が受験条件の狭き門。
木村さんは国公立高校の入試前に合格を決めた。
「母は喜びました。当時、月約2万円が支給され、ボーナスも2~3万円あった。厚生年金もかけてくれた」というのである。
工業高校の電気科、電子科の内容に加え、発送電の知識を学んだ。
木村さんは福島に戻るつもりで、発変電科の火力・原子力コースに進み、卒業後東電に入社したという(以上「朝日新聞 プロメテウスの罠 原始村に住む」より)、生粋の東電「原始村」村民である。
その木村さんが、今は原子力発電に疑問を呈している。
昨日の「プロメテウスの罠」に、木村さんが原発への疑問を膨らませる事件が報じられていた。
「1991年10月30日、福島第一原発のタービン建屋で冷却用の海水が配管から大量に漏れた。
補機冷却系の海水配管が腐食してタービン建屋から水漏れし、地下1階に水があふれ、非常用ディーゼル発電機が使えなくなった。
原発が水に弱いことに木村さんは驚いて、上司に『津波が来たら一発で炉心溶融じゃないですか』
それに答えて上司は『そうなんだ余地、木村君。でも安全審査で津波まで想定するのはタブー視されているんだ』
津波を装填すると膨大なお金が要る。だから無視する、という意味。
木村さんにとってこの上司は尊敬できる人物だった。
その人物の言葉だけに、木村さんの心にささった」(プロメテウスの罠2012.2.11)
私は奥歯にじくっとしたいたみのようなものを感じた。
「想定外」という言葉は、想定当初から想定していた想定していた単語なのである。
「プロメテウスの罠」は昨年10月からの長期連載。
どうにもいたたまれなくなったときだけ、ブログでつぶやいている。
« この時期に、新築国家公務員宿舎 | トップページ | 最愛の、パワータンク スマート »
「ニュース」カテゴリの記事
- 大谷選手 感服(2023.05.05)
- 自民党茂木幹事長 旧統一教会との決別宣言(2022.08.08)
- 「こうのとりのゆりかご」の慈恵病院の「内密出産」 (2022.02.14)
- 池袋暴走母子殺害事故の飯塚幸三が控訴しないことを表明 収監されることなく幕引き(2021.09.15)
- トランプ前大統領が地球を破壊する。(2021.05.05)
コメント