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2012年4月 3日 (火)

子どものいない相続。事実婚で籍に入っていない夫婦間の相続。

 今朝、相続の相談で来店があった。

 20数年前に建売住宅を購入していただいた方だった。

 ご主人が亡くなられて、ご主人名義の家を自分の名義にしたいのだがどうしたらいいかということだった。

 相続人は自分だけだから簡単だと思っておられる。

 私は、この方の相続は簡単ではないぞと思いつつ話を聞いた。

 私が心配だったのは、このご夫婦は、夫婦として長年いっしょに暮らしていたのだ、建売住宅を購入した際に籍に入っていなかったからだ。

 夫婦仲は良かったのだが、どういうわけかその後も籍を入れてなかった。

 事実婚の夫婦であっても、籍に入っていないと相続権はない。

 この方の場合、奥さんの収入で住宅ローンを支払った時期もあるのだが、もし籍に入っていないままなら法律上は相続権は認められない。

 もし籍に入ってなければ、住宅ローンをいっしょに払ってきたはずの家の名義を奥さん名義にすることは難しい。

 それで、まずそのことを聞いてみた。

 幸い、5年前に籍は入れていた。

 これで、ひとまず奥さんが相続は可能だが、続く問題がある。

 この夫婦には子どもさんがいないのだ。

 子どもさんがいれば、奥さんと子どもさんが相続人になるのだが、子どもがいない場合は奥さんとご主人の親が相続人になる。

 親が亡くなっている場合は、奥さんと、ご主人の兄弟が相続人になる。

 今回のケースは、ご主人の兄弟の方が相続人となるので、名義変更(相続登記)をするにあたっては、ご主人の兄弟の方々の同意と、印鑑がいることを説明した。

 すんなり兄弟の方が印鑑を押してくれたらいいが、いくらかくれということも間々あるという話もした。

 それを聞いた奥さんは納得がいかない様子だった。

 親や兄弟から一切援助を受けたわけではないし、住宅ローンを払って来れたのも自分の稼ぎがあってからのこと。

 なんにも世話になっていない兄弟の了解をとらないといけないのはおかしい、と言うのだ。

 奥さんがそう思うのは当然だが、法律はそうなっているのでいたしかたがない。

 当事者にとっては理不尽なことだと私も思う。

 この方の場合数年前に籍を入れていたので相続権があるだけ幸せだったと思うべきだろう。

 あとは、相続権のある兄弟の方の了解をもらって、相続の書類に印鑑証明書を添付して実印を押してもらうことになるのだが、すんなり印鑑を押してもらえずにもめるケースも少なくない。

 こんな理不尽とも思える状況を未然に防ぐために有効で唯一の方法が遺言だ。

 遺言の方法はいくつかあるが、公正証書での遺言にしておくと、他の相続人の印鑑無しに相続登記ができる。

 

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