普通自動二輪免許取得、さんざんな軌跡⑤
⑤悲哀は続く第2段階
相変わらずバイクと一体になれないまま、なんとか第2段階の教習に入った。
第2段階は検定コースを走ることになっている。
老化した身体と極度の緊張性で、第2段階になってもバイクを思うように動かせない。
身体が反応してバイクを操作するようになれるといいのだが、頭で考えて身体を動かしている状態が続く。
右折左折は、時速10㎞の徐行。大回りをしてはいけない。曲がる前には右よし、左よし、と大きく首を動かして安全確認。
車線を変更するときは、3秒前に指示器を出す。
頭の中で、イチ・ニッ・サンと数えながら、車線を変更する。
そんなことを考えながらバイクを動かしているから、一夜漬けで覚えてきた積もりの検定コースがすっかりとんでしまう。
次は右折だったかな、左折だったかなと思い出しながら運転しているから、車体がふらつく。
そもそも、「明日までに覚えてきて」と渡されたコース図が非常に不親切なもなのだ。
検定コースは3コースあるのだが、A4サイズのコピー用紙に3コースがざっと手書きで書いてある。
バイクが走るコースは赤のボールペンで描かれているのだが、同じ箇所を重複して通過するところなんかは、赤い線と線の間が1㎜もないところがある。
「これを鉛筆かなんかでなぞって見ればわかりますよ」と言われて渡されたが、鉛筆でなぞっていっているうちに、同じところに戻ってきたりする。
老眼のおじさんには、どうやっても判別できない。
私はいたって気の弱いおじさんなのだが、勇気をふりしぼって事務所に行き「もっとわかりやすい図面はないんでしょうか?」と、おずおずと聞いてみた。
受付の若い女性は、「これしかありません」と、そっけない。
「目が悪くてこれじゃあ、ぜんぜんわからないんですけど。せめてもう少し大きい図面はないんでしょうか」
「みなさんこれでわかるんですけどねぇ」
若い人だって、こんな小さい図面ではわかりにくいんじゃないかなあと思うのだが、この事務員さんを怒らせたら私を好くってくれる人はいない。
私は、日ごろ、不動産業においての知識においては人から頼られることも多い。
パソコンも鉛筆や電卓を扱うのと同様に使いこなしている。
AKBも好きだし、いきものがかりも好きだ。
ミーハで、若い人たちと話をしていても話題にはことかかない。
年齢を自覚したことは無かったが、初老の域に入ってしまっているのかもしれない。
検定コースの図面は、コース図は黒の線、バイクの導線は赤い線で描かれている。
カラーコピー機があれば、拡大コピーすればいいのだが、白黒のコピー機では線の区別ができない。
悲しいことに私の会社にはカラーコピー機がないのだ。
怒りと、悲しみの気持ちを抑えて、「すみません。ご迷惑でしょうが、これを拡大コピーしてもらえませんか?」と懇願し、A4サイズをB4サイズに拡大コピーしてもらった。
私には、それでも見にくくて、できたらA3サイズに拡大してもらいたかったのだが、「みなさんこれでわかるんですけどね」という言葉に、それ以上の頼みをすることはできなかった。
覚えが悪い頭に、わざと覚えにくくしていると思ってしまう図面。
加齢にともなう体力の低下は認めざるを得ないが、脳みそは若い人にも負けていないと思っていた私の自尊心はずたずたに引き裂かれたのだ。
そうこうしているうちに、第2段階も今日で終了。
明後日は検定を受けることになる。
まったく自信は無いと、自信をもって断言できる。
先生も、「今日で既定の講習時間は終わるけど、明日は練習しなくてもいいですか?」と聞いてきた。
すかさず、試験前の追加補習を申し込んだ。
早く、合格の喜びの記を書きたいものだ。
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