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2012年6月 3日 (日)

普通自動二輪免許取得、さんざんな軌跡③

 ③実技講習第1段階

 入校式は5月16日水曜日。

 オートマ限定の普通自動二輪は、自動車の免許があれば実技のみ講習でいい。(学科は1時間だけ)

 実技は、第1段階と第2段階にわかれていて、第1段階5時間、第2段階8時間の計13時間。

 実技校長先生が2週間もあれば免許が取れると言っていたが、1日2時間ずつ講習を受ければ確実に2週間で免許がとれると思っていた。

 しかし、そんな思惑は見事にくずれることになるのだ。

 次の日、私の担当になったという先生から電話が入り、次の金曜日から講習をスタートするということになった。

 先生たちは週休2日になっているし、月曜日まではスケジュールがつまっているらしい。

 それを考慮すると、1日に2時間ずつ講習を受けても2週間ちょっとかかるかもしれない。。

 しかし、これも私の甘い考えだった。

 待ちに待った月曜日、浮き浮きした気分で自動車学校の受付へ向かった。

 受付で、「今日から講習の、赤池です」と告げると、クリアーファイルに入った受講カードを渡された。

 「これからは、受付をしたらこれを教官室の入口のケースに入れて、待合所で待機していてください」

 言われた通り教官室に行き受講カードを受付のケースに入れて、待合所にて待機する。

 講習の始まりと終りにはチャイムで知らせるようになっているようだ。

 講習始めのチャイムと同時に先生が現れる。

 「今日からオートマ自動二輪の講習をされる赤池さんですね」

 「はい、よろしくお願いします」

 挨拶が終わると説明に入る。

 「まず、ここで(待合所の片隅の棚)準備をしておいてください」

 そこには、ヘルメット、プロテクター(胴体、スネ、ヒザを防護する)、軍手、ゼッケンが置かれている。

 ころんだときに身体を護るためだろう。

 「おおげさだな」と思いながら、それらを身につてけいく。

 ゼッケンは赤と黄色のものがあって、赤は第1段階、黄色が第2段階に色分けされている。

 全ての装備を身につけ、最後に赤のゼッケンをつけて、先生の後についてバイク置き場まで歩いて行く。

 黒く輝くビッグスクータが2台鎮座している。

 憧れのビッグスクータ。

 しかし、「でかい!」

 オークションで落札して届いている中古の「ホンダ フォルツァ」より一回り大きい。

 バイクを前にして、車体の説明を受ける。

 まずはサイドスタンドをもどして見るように言われる。

 サイドスタンドは足でパットはね上げるだけ。

 そんなこと簡単だと思ってハンドルを握ってサイドスタンドをはね上げる。

 ハンドルを握ってみて、私は若干うろたえた。

 「重い!」そうぞうしていた3倍以上重い!

 自宅の駐車場に置いてある「フォルツァ」の比ではない。

 「フォルツァ」は250cc。原付バイクよりは重いが、大きな違和感は感じなかった。

 しかし、これ(教習用バイク)は違う。まったくベツモノだ。

 400ccのバイクとはこんなに重いのか。

 想像していなかった事態に、私は大いに動揺していた。

 「では、バイクを押して私についてきてください」

 私はバイクを押して、コースに向かって行く先生の後を追いかける。

 思い通りに進まない。

 動揺を先生に悟られないように、平然とした顔でついていく。

 次に、コースの入口で8の字にバイクを押す練習。

 重さは半端ではない。

 平然とバイクを押そうとするのだが、バランスを崩してバイクを倒しそうになる。

 これを「車のとりまわし」と言うらしい。

 身体を動かしていることによる汗に加えて、冷や汗も混じる。

 「では、バイクを起こしてセンタースタンドを立てて」と言われる。

 「来た、来た」自動二輪大型の免許は、車体を起こせないと受験もできないという。

 大の大人が中型ごときを動かせないと恥ずかしい、と思いつつバイクをスタンドを起こしにかかる。

 むむ。なんとも重くてバイクが起きない。

 先生から、「力任せに引っ張るんじゃなくて、テコの原理をつかってタイミングで持ち上げるんですよ」と言われるが、できない。

 テコの原理というが、どこが支店でどこが力点なんだ。と中学校の理科の教科書の図が頭をよぎる。

 四苦八苦、七転八起、内心おろおろするのを隠して、平然を装って、やっとのことでこれもできた。

 次に、バイクを倒して持ち上げろと言う。

 まずは手前に倒して持ち上げ、次に反対側に倒して押し上げることをやらされる。

 簡単に免許が取れるという目論見が徐々に狂ってきている。

 そこまで終わると、「バイクにまたがって」と言われた。

 エンジンのかけ方を教えてもらってエンジンをかける。

 これは原付バイクと大差ない。

 しかし、またがったバイクは重い。

 油断するとバイクを倒してしまいそうだ。

 「では私についてきてください」

 いよいよ出発進行。

 教習用の400ccのバイクは私の想像の倍以上の大きさで、3倍以上の重量だ。

 まずは直進。

 これは問題ない。

 次にゆっくりカーブを曲がる。

 これも問題ない、と思っていたが、思ったよりふくれて大回りになってしまう。

 ふらつく。

 想定外の感覚。

 原付バイクとはまったく違う乗り物。

 自分の重いが車体に伝えられない。

 悠然と先を進む先生に、なんとかついて行く。

 先生は8の字コースに進入する。

 「えっ、いきなり8の字かよ」と思いつつ、必死の思いでついて行く。

 しかし、ハンドルが切れない!

 バランスを崩して、たまらず足を着いてしまう。

 先生は8の字コースをくるぐると周回しながら、私について来いという。

 「目の前に視線を置くのではなくて、進行方向の先の方を見るようにしてください」と言う。

 理論はわかるのだが、車体を倒さないようにするだけで精いっぱいの状況なのだ。

 8の字コースを3周くらい回って、次に広い道路に出た。

 ほっとする間もなく、先生は広い道路をゆっくりUターンをする。

 スムーズなハンドル操作の練習らしいが。

 その後をついて行かなくてはいけないのだが、できない。

 曲がれない。

 先生から「バイクを傾ければバイクが自然に曲がるんですよ」「バイクと一体になって」と何度も言われる。

 「はい」と答えるが、「こちとら今日が初日だぞ。できるわけないじゃん」と心で叫ぶ。

 歳はくっているが、いたずらでバイクを動かしたこともないのだ。

 2時間の講習で、S字コース、クランク(直角にクネクネ曲がったコース」、一本橋(幅30㎝、高さ5㎝くらいの橋の上をゆっくり渡るというもの)、スラローム(道路工事の時に道路に置いてある円錐形のコーンを置いて、じぐざぐに通り抜けるというもの)と一通りの技能訓練を強要される。

 そんな技能コースを、「私の後を着いてきてください」と言ってずんずん進んでいく。

 私はうろたえつつ、その後をおたおたとついて行く。

 「無理!」これは無理だ。

 S字コース、クランクコースではコーンをバタバタ倒しまくり、脱輪しまくり、足を着く。

 さらにはバイクを倒してしまう。

 一本橋は、橋に乗ることさえできない。 

 見かねた先生が、広い道路に私を誘導して、ここで丸い円を描くようにスムーズに回る練習をしましょうという。

 「こうですよ」ときれいな円を描いて回転するが、私はふらふらと波うった円しか描けない。

 「前を見ないで、回る方向の先をみて」「身体を回転方向にねじって」と叱咤する。

 できない。まったくできない。

 なんにもできないまま2時間が過ぎた。

 この歳になるまで自分の年齢を意識したことがなかった私だったが、生まれて初めて歳を感じてしまった。

 歳のせいか、運動神経の問題か。

 どちらにしても、規定の時間での免許取得は無理とあきらめた。

 それどころか、永遠にバイクを思い通りに操作できるようにはならないのではないかという絶望感さえ感じていた。

 対面を機にする私は、気をとりなおして、「先生。10時間の補習は覚悟しましたよ。免許が取れるまでよろしくお願いします」と明るく言い放ったが、心は闇だった。

 この自動車学校始まって以来の記録的劣等生になるのではないだろうか。

 補習の料金がかさむのも大きな問題だが、自尊心の強い私としては、運転能力の低さを見透かされることの方がつらいのだ。

 帰りに受付カウンターの職員さんに「10時間以上補習しなくてはいけないようだよ」なんて言い訳しながら学校を後にした。

 次の講習は、先生の都合で次週の月曜日に決まった。

 土曜、日曜日と2日間の休み。

 間が空くことの不安と、バイクに乗らなくても良い喜びが混ざり合った、なんとも不思議な心境だった。

 長くなりましたので、あとは明日に続く。

 

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