住宅街に古墳時代の田んぼの遺跡。当時の人の足跡も。調査期間、新築工事ストップ。
一昨日、取引予定の土地の調査のため市の文化課に行ってきた。
現在商談中の土地の近くで古墳時代の田んぼのあとが見つかって、その調査で新築工事が遅れるかもしれないという騒動があったからだ。
当地(宮崎県の北端の街、延岡市)のみならず、各都道府県、市町村には「衆知の埋蔵文化財包蔵地」というものが備えられている。
「埋蔵文化財包蔵地」として指定されている区域は、宅地建物取引業法による重要事項説明書で告知しておくべき事項でなのだ。
「埋蔵文化財包蔵地」として指定されている区域で建設工事をする場合には、まず試掘調査を行なわなければならない。
延岡市であれば、試掘調査は市の費用負担で行なわれる。
試掘調査で重要な遺物、遺構が発見されて、本格調査を行なうことになると、その調査費用は地主の負担となる。
工事がストップするというのも迷惑な話だが、調査費用まで地主の負担となるというのは納得がいかない。
納得がいかないが、法律で定められているので従わざるを得ない。
そんな土地を説明無しに売買してしまうと、売買に携わった不動産会社は損害賠償を問われることになる。
私の経験では、今私が商談している土地は「埋蔵文化財包蔵地」では無いと思ってはいたが、念のために確認に行った次第。
最近、古墳時代の田んぼの跡が見つかったというのは、当地(宮崎県の北端の街、延岡市)の日の出町というところだ。
延岡駅から直線距離にして300m足らずの近隣商業地域で、商業地と住宅地が混在している地域。
築30年以上経過した古い住宅が建っていた土地で、今更調査しても何にもでないだろうと思っていたところ、古墳時代の田んぼの跡が発掘されたというのだ。
しかも田んぼに、古墳時代の人の足跡まで残っていたそうだ。
幸い(というべきか)、3日間の試掘調査の後、住宅新築工事は再開された。
これが、万が一重要文化財が発掘されて本格発掘となると、建築はできなくなり、調査費用まで地主の負担となるのだから、この土地の売買に関係した不動産屋を巻き込んだ大事件になる。
冒頭にも言ったことだが、地主が費用を負担しなければならないというのは納得がいかない話だが、今回のように個人が住宅を建てるというような場合には、国からの補助金が使えるようだ。
« 6歳児の脳死による臓器移植 | トップページ | 「TAO(タオ) 宮崎公演」 »
「日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事
- 思わなくなったわけではない(2023.11.12)
- 過ごしやすい季節(2023.11.04)
- 11月1日 再創業(2023.11.01)
- 藤井聡太八冠を見直す(2023.10.12)
- スポーツの日(2023.10.09)
「05不動産情報館日記」カテゴリの記事
- 悪徳不動産屋日記 笑っちゃいます相続税対策(2023.07.23)
- 悪徳不動産屋日記 相続土地国家帰属制度(2023.07.19)
- 悪徳不動産屋日記 高齢者の住居、貸し渋り対策へ (2023.07.06)
- 悪徳不動産屋日記 頻発する線状降水帯(2023.07.03)
- 人生初の5連休(2023.05.06)
日本中どこでも公費で発掘調査すると思っていました。
私の家から5キロくらい所は、工事するとすぐに貝塚とか遺跡が出ます。
ついに遺跡公園というのを作って、竪穴式住居を建て、出てきた土器やら槍などの展示室もできました。
そんなこんなで、たしか上下水道を埋設したのが、東京23区で一番遅かった記憶があります。
それにしても、ちょっと掘るとザックザック出てたようです。
投稿: Lisa | 2012年6月17日 (日) 00時16分
Lisaさん、コメントありがとうございます。
東京23区で、そんなところがあるんですね。
遺跡公園みたいな形で保存することになると、
土地は買い上げになるし、もし工事をしていた
のであれば、その工事代金の保証金ももらえます。
古代の人の生活の痕跡が残っているなんてのはロマンですね。
投稿: johokan | 2012年6月17日 (日) 15時36分