筒井康隆「聖痕」。朝日新聞連載小説。
筒井康隆さんの連載小説が13日から始まった。
さすが筒井康隆。新聞連載小説の存在意義を知らされた。
というのも、私は毎朝、新聞を読む習慣はあるのだが、今まで一度も新聞の連載小説を読んだことはなかった。
小説なんてやつは、一気に読まないと楽しめないと思っていたからだ。
それで、新聞の連載小説はいっさい眼中になかったのだが、筒井さんの連載小説が始まるという紹介記事に目がいった。
筒井さんの小説は学生時代に読んだ。
愛読者というほどではなく、流行作家として頻繁に月刊小説誌に発表されるものを読んでいた。
当時、SF作家として星新一さんや小松左京さんらと「SF御三家」と称されていて、常に実験的な小説を手がけ話題性のある作家だった。
私にとっては、ナンセンス・SF作家としての印象が強い。
また、筒井さんは俳優という肩書も持っていらっしゃる。
私は俳優としての筒井さんは存じあげないが、たしかに役者にしても通用しそうな味のあるいい顔をしている。
当人もそれを自覚しているようで、筒井さんの出版広告は、必ず筒井さんの顔写真付きである。
今回の連載開始の記事に気がついたのも、パソコンのキーボードの前でポーズをとる筒井さんの大きな顔写真に目がとまってのことだ。
それで、13日の連載初日から「聖痕」を読み始めた。
初回は、難解というか、私には理解不能で、よくわからなかった。
筒井さんは、よく実験的小説をお書きになる。
この小説も、「本来の意味でのゾラ(19世紀の作家エミール・ゾラ)的実験」だの、「言葉による触発に古語を用いる」実験をするだのと語っておられる。
私には、その意味は理解できないが、なんだかそれははやり実験的な小説になっているのだろう。
それでこんなに難しい話になるのなら、都合からは読むのをやめようと思っていた。
私は、小説ってのは、読んでまず面白くないといけないと考えているからだ。
そんな気持ちで、2回目を読む。
む?事件が起こったみたいだ。3回目を読んでみたい。
3回目。確かに事件が起きた。
4回目。そして今日が連載5回目。確実に、猟奇的事件が勃発している。
次の展開はどうなるのだろうと、毎朝が楽しみになった。
1回分が原稿用紙2枚ちょっとしかないというのに、毎回の話が濃密に脳裏に焼きつく。
新聞の連載小説の面白さを初めて知ることとなった。
筒井さん曰く「最後の長編」ということだが、久し振りに小説を堪能しようと思っている。
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