台風。大過ありませんように。
このところ、ゆっくりブログを書く時間がなくて、さて何を書こうかなとパソコンを立ち上げたころに電話が入った。
着信の表示を見ると、当社が管理しているビルの入居者からだ。
こんな時間に電話があるということはトラブル以外にない。
外は、台風の影響で雨と風が強くなっている。
電話をとる。
案の定、天井から水が漏れているという。
(酒を)飲んでいないのなら来て見てもらった方がいいという連絡だった。
電話の様子からすると水漏れはひどくはないようだが、すぐにかけつけた。
店内に入って、水漏れの箇所を確認する。
商品や器材等を傷めていないかが心配。
「ご迷惑かけます。どんな具合ですか?」と聞いてみる。
「大したもれではないのだけど・・・」と言って、水漏れの箇所を指さした。
そこに目をやるが、水漏れは確認できない。
しばらく見ていると水滴がじわっと粒になって、ポツリと落ちてきた。
ちょうどその下に冷蔵庫があって、冷蔵庫の表面が濡れているので、なんでかなと思って見ていたら水滴が落ちてきていたということだった。
入居者の人も、クレームをつけるつもりではなく、台風のせいでどこからか雨漏りしているかもしれないので、私が状況を見ておいた方がいいという意味合いで連絡をしてくれたみたいだった。
まずは、たいしたことがなくてひと安心。
私は、台風が嫌いだ。
わざわざそんなことを言わなくても、だれだって台風は嫌いだろう。
しかし、子どもの頃に台風が来るとちょっとわくわくしたことはないだろうか。
学校が休みになるのが嬉しかったし、自分の家に被害がないのであれば、台風を期待するという気持ちがあった。
人の喧嘩と他人の火事は、大きければ大きいほど面白いという言葉があるが、そんな感覚だろう。
しかし、不動産業に従事してからというもの台風は大嫌いになった。
台風で雨漏りとか家に支障が出ると、お客さんから苦情の電話が入る。
私が以前勤務していた会社は不動産業だけでなく建築もやっていたので、家を建てたお客さんからかならず入ったものだった。
雨漏りでの苦情が多かった。
普通の雨では雨漏りしない家でも、台風のときには雨漏りをする場合がある。
横殴りの雨や、風で吹き上げられて下から雨が降るということがあるからだ。
家は、工場の生産ラインで造られるのではなくて、一軒一軒を現場で手作りしているもの。
日本の完璧な物造りに慣れているお客さんとしては、雨漏りする家なんて許せるはずがない。
台風という非常事態だからしょうがないとは思ってくれない。
「雨漏りしている!すぐに出てきて雨漏りを止めろ!」というお客さんもいる。
大雨と強風の中、どうやって修理できるんだいと言いたいのをぐっと我慢して、とりあえずは出て言って雨漏りの様子を見ることにしていた。
そんなこんなで、台風は大嫌いだ。
雨漏りだけではなく、台風のときにはお客さんからいろいろな電話が入る。
先日は裏山が崖崩れがあった。
洪水で床上浸水したというものもあった。
ガラスが割れた。瓦が飛んでしまった。こまったことは全部不動産屋に言ってくる。
それが、ほとんどの場合すぐに修理してくれと思っての電話だから困る。
私には直せないし、職人さんも台風の最中に動いてはくれない。
すぐに来てほしいとエキサイトするお客さんを、なんとかなだめて修理業者の手配をするということになる。
なかには、こんなお客さんもいた。
家中の電気が切れたから、すぐに修理に来てくれ、という電話だった。
強風で電気の線が切れたのだろうかと思ったが、念のために、「電気が切れているのはお宅だけですか?」と聞いてみる。
すると、「そんなことはわかるものか!」と言う。
めげずに、「窓から外を見てみてください。周りの家の電気は点いてますか?」と伝える。
すると、「周りの家も街灯も消えているみたいで、外は真っ暗だ」との答え。
私は、ムカッとする気持ちを抑えて、「それは停電というもので、九州電力の復旧工事が終わるまで待って下さい」と教えて差し上げた。
造ったばかりの新品の家だから電気が切れるのはおかしいと思ってのクレームだったようだ。
かくのごとくで、お客様意識が強く依頼心の強いお客様が多い昨今だから、よだきんぼ(宮崎弁でなまけもの)不動産屋のおじさんは、台風が大嫌いなのだ。
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