またまた相続がらみの物件。兄の家を弟さんが相続。
またまた、売却の依頼を受けた物件が相続がらみの話になった。
知人の紹介で中古住宅の売却の依頼を受けることになった。
最近なくなったお兄さんの家を、弟さんが売主になって売却したいというのだ。
亡くなったお兄さんには子どもがいないので、弟さんが相続して売却するということだった。
まずは物件を見に行ったが、120坪の土地に平家の50坪の立派な住宅だった。
子どもさんに恵まれなかったとのことで、こんな大きな家に夫婦だけで暮らしていたらしい。
誰も住むものがいなくなったために売却したいということだった。
子どもさんがいなかったということで、私が気になるのは、相続権のある関係者の同意がとれるのかということだった。
まずは、「ご兄弟は何人ですか?」と聞いてみた。
すると、なんと兄弟は7人もいるという。
しかも、そのうちの数人が亡くなっている。
亡くなった方(被相続人)に子どもさんがいないと、直系存続(父母、祖父母)が相続人になる。
父母、祖父母が亡くなっている場合には、被相続人の兄弟姉妹が相続人になる。
今回のケースは兄弟姉妹が相続人になるのだが、兄弟姉妹で亡くなっている場合は、その子どもである甥姪が相続人になる。
兄弟間では話がついていたとしても、甥、姪に相続権が移ってしまうと、いくらかもらわないと相続に同意しないということもあり得る。
またしても、相続登記に手間がかかる話になりそうだ。
それで、売却の依頼を受けると同時に、相続登記についての説明をさせてもらった。
依頼者の方の名義に相続登記をするためには、兄弟全員の同意がいること、
亡くなっているご兄弟については、その子どもである甥・姪の方の同意がいることを説明する。
そして、相続権のある人が多いので、すんなりいかずにもめることもありますよるという話をしていたら、「公正証書遺言があるからもめないと思う」と言われた。
亡くなったお兄さんは、ちゃんとした知識のある方だったようだ。
家を見たらわかることだが、結構な財産を築かれていたのだろう。
そして、自分に子どもがいないから、兄弟が財産争いで仲違いしないように、遺言書を作成していたというわけだ。
公正証書の内容を見せてもらってはいないが、公正証書での遺言だったらまったく心配はいらない。
公正証書遺言は、法律の専門家である公証人が作成に関与しているので問題は起こりようが無いとも言えるわけだ。
公正証書が最大にその威力を発揮するのが遺言で、遺言書があれば、ややこしい手続き無しで不動産の相続登記ができるのだ。
後日、公正証書の遺言書の確認をさせていただけるということで、今回の話は相続登記で頭を煩わせることはないようだ。
何度も言ってきていることなのだが、大きな財産があっても、なくっても、家族のために遺言書を作っておくことをお勧めする。
特にお勧めしたいのが、公正証書による遺言だ。
公正証書遺言書は、相続が発生したときには、水戸黄門の印籠のような絶大な力を発揮することになる。
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