遺言は元気なうちに。
昨日、TBSの「爆報THEフライデー」で、ガンで急逝された逸見政孝さんが取り上げられていた。
息子さんが出演し、「衝撃告白!!借金12億円。火だるま地獄」という過激なコピーで、当時のことを語っておられた。
若い方はご存じないかもしれないが、逸見さんはフジテレビのアナウンサーからフリーになって、当時レギュラー番組を何本も抱えていた人気司会者だった。
仕事が順調で12億円の豪邸を建てたのだが、完成して数カ月後にガンが見つかり、自宅では数カ月暮らしただけでこの世を去った。
本人はガンであることを記者会見で公表し、ガンからの回復を信じて同病生活を送ったのだが、病には勝てなかった。
残された家族が12億円という莫大な借金を抱えて途方に暮れた。
そのことを息子さんが番組で告白していたが、逸見さんは自分でも死ぬとは思っていなかったので、家族には経済的なことも家族に対しての思いも、何にも言い残すことは無かった。
逸見さんのように12億円の借金を残すことや、億単位の財産が残されるというのはごくわずかな人だ。
相続に関する相談を受けることは多いが、相続税を払う必要のある人はごくわずかだ。
全国的には相続税の課税対象になるのは、亡くなった人の100人に対して4人程度だ。
相続税は、「5千万円+1千万円×法定相続人数」が基礎控除される。
夫が亡くなって、妻と子ども2人が相続する場合、相続財産の評価額が8千万円を超えないと相続税はかからない。
つまり、ほとんどの人は相続税とは無縁というわけなのだ。
しかし、亡くなった人の預貯金や生命保険、株、免許証、ローン、自動車等の動産、携帯電話等々、さまざまな手続きが必要になる。
どこに預金をしているのか、生命保険はどこにあるのか、全部を調べるのは大変な苦労がともなう。
同居してた子どもがいた場合、別居していた兄弟との間で、本当にこれで全部なのかというもめごとも起きたりする。
自分の死を考えることは楽しいことではない。
私は、まだ死が遠い存在に感じる時期にこそ自分整理をしておいたほうがいいと思っている。
最近、さまざまな形での「エンディングノート」が発売されている。
遺言というと構えてしまうが、「エンディングノート」に、金融関係の口座やクレジットカードやローン、保険、口座引落しになるお金を記しておくこと、家族に対する思いを書きつづっておくと、残された家族は随分助かる。
さらに、延命治療に対する希望も書き記しておきたい。
私は50歳頃から、「尊厳死協会」の書式で延命治療を拒否する文書を自筆で書き、財布に入れて常に携帯している。
簡単な遺言書も書いている。
とくに仕事での借金が大きいので、金融関係の口座や私が亡くなった後の借金の整理の仕方については妻に口頭で話をしている。
近々、「エンディングノート」に書き出し、正式な遺言書も作成しようと思っている。
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