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2012年9月17日 (月)

不満足な台風情報

 台風は、当地(宮崎県の北端の街、延岡市)にもさまざまな被害を残して過ぎていった。

 当市北川町では、広い範囲で道路が冠水して通行に支障が出た。

 あの状況では、刈り取りを目前にした稲にも被害が出たことだろう。

 被害に合われた方には申し訳ないが、最大級の台風だという報道に身構えていたわりには大過なく台風が通過したという印象だった。

 最大級とか、未だ経験したことのないだとか、おどろおどろしい表現で報じられる台風情報に、私たちは身をすくめて家にこもるしかない。

 想定できる最大級の台風情報は、注意喚起をうながすためのものなのだろうから、予想より影響が少ないのは喜ぶべきで、想定外の被害を被るよりはずっといい。

 注意喚起のために最悪を想定するのは正しい判断だと思う。

 しかし、その想定が運良くはずれて、最悪の事態をまぬがれることがわかったときには、すみやかにその旨の報道もしてもらいたいものだ。

 今まで経験したことのない巨大な台風が来るぞ、来るぞと騒ぎ立て続けられて、その報道を聞いている私は、いつ来るのか、いつ来るのかと恐怖におののいて身を固くして、何事もないことを祈り続けていた。

 風雨が強くなり、もっとひどくなるのだろうとおびえ続けていた。

 最大級の台風のわりにはテレビ報道が静かだなと思っていたら、いつの間にか台風は通りすぎていた。

 テレビ局を喜ばせるような大きな被害はなかったようだ。

 私が何度も言っていることだが、テレビは人心の不安を煽り立てることを職務としている。

 だから、視聴者が恐怖を感じないような映像には余り時間を割かない。

 しかし、建て前では公的機関と称しているのだから、台風の影響が思ったより小さいとわかったときには、「○○地方のみなさん、ご安心ください。幸いなことに台風の直撃はまぬがれそうです」というような、視聴者を安心させる報道を、たまにはしてもいいのではないだろうか。

 東日本大震災を経験して、想定できる最悪の予想を報じるようにしているのかもしれない。

 それは正しいことだと思うが、予想がはずれて被害が小さくすんだときに、予想がはずれたことを共に喜び、想定でき得る最悪の予想の必要性の説明をしておくことも大事ではないだろうか。

 そんな冷静な報道無しで騒ぎ立てることを続けていると、視聴者が災害情報を狼少年的に受け取るようになりはしないかと危惧している。

 

 

 

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