舞鶴高1殺害事件、逆転無罪。冤罪が引き起こす罪。
2008年、京都府舞鶴で高校1年生の女生徒を殺したとして、殺人と強制猥褻致死の罪を問われ、一審の京都地裁で無期懲役の反省を受けていた中勝美被告に、第二審の大阪高裁で無罪の判決が下された。
物的証拠が一切なく、被告は逮捕当時から一貫して無罪を主張していた事件で、罪のない人を救う判決であったと言える。
一方、被害者の母親は逆転無罪の判決に、声をあげて泣き始めたという。
そして、判決後、代理人の弁護士を通じて「悔しくて納得できません。絶対に上告していただき、真実が明らかになることを祈り続けます」と発言している。
母親は、子どもの命を奪われた悲しみを被告を憎むことで昇華させていたことだろう。
その対称が突然消えてしまうことは、母親にとっては生きるすべを失うことなのかもしれない。
しかし、母親が明らかにしたかった「真実」は、被告が犯人ではないということがそうなのかもしれない。
「真実」が無罪であるのなら、「悔しくて納得できない」という言葉は、被告にとって、やり場のない言葉であろう。
判決理由を聞くと、検察側がよりどころとしている目撃証言の取り方や、状況証拠の信頼性に疑いがあり、犯人と断定することはできないとしている。
被告は結果的に無罪の判決をもらったわけだが、「無実である」と断定してもらえたわけではない。
「犯人と断定できない」から、有罪にはできないという意味合いにも思える。
一度逮捕されてしまうと、真っ白にはもどれない悲劇。
逮捕から4年。
容疑者として奪われた年月、被害者家族が犯人を厳罰に処したいと願い続けてきた年月。
そして、過ぎてきてしまった年月は、真犯人逮捕の機会をも失わせてしまう。
それにつけても、一番恐ろしいのは誤認逮捕される可能性は誰にでもあるということだ。
心配性のおじさんとしては、人ごとではない恐怖を感じている。
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