悪徳不動産屋日記② 悪徳不動産屋の私の悪行、昨日の続き。
さて、悪徳不動産屋の私の悪行、昨日の続きをしよう。
家賃が遅れるお客さんに説教をかましたあと、家主が小さな紙袋を下げてきた。
縦20㎝、横10㎝くらいの駄菓子を入れるような紙袋だった。
先ほど帰って言った店子が、家賃は入れてきたと言っていたので、家賃が入ったお礼なのだろうと推測できた。
想像とおり、紙袋はお礼の品。100円程度の和菓子が5個。
「おかげさんで、さっき家賃を持ってきてもらいました」と家主。
悪徳不動産屋の私だから、それですんなり家主を帰すわけにはいかない。
お礼を言って帰ろうとする家主に、「家主さんちょっと待ってください。話があります」と言って引き止める。
「あのね、家主さん。あなたもね、商売していて、掛け売りしているお得意さんがいるでしょう?」
「そんなお客さんの全部が、きちんきちんと支払いする人ばかりじゃないでしょう?」
「今月は、ちょっと売上が悪いから半金で勘弁してくれとか、今月はとばして来月まで待ってくれというお客さんもいるでしょう?」
「そんなとき、お客さんに対して、『金払え』と怒鳴りつけたりしますか?」
「借家人は家賃を払ってくれる、上お得意さまですよ。同じことですよ。月々6万円の家賃だけど、年間では72万円。これは荒利的に考えると72万円まるまるのりえきですよ。家主さんの商売で72万円の荒利というと200~300万円の売上でしょう?そう考えると、一番のお得意さんになるんじゃないですか?」と言って答えを求める。
私に問い詰められた家主は、腹立たしいけど、私の言っていることが正しいので、渋々うなづくしかない。
悪徳不動産屋の私は、かさにかかって「そんな上客に、『金払え』なんて怒鳴り込むなんて、もってのほかでしょう!」
「お互い商売やっているんだから、厳しいのはお互いさまという気持ちで、『オタクも厳しいでしょうけど、私も楽ではないので、家賃は遅れないようにお願いします』って気持ちで督促しないと駄目ですよ!」と、これまた説教をかます。
とういことで、お客様である家主にも賃貸人にも説教をかませて、それは客商売の風上にもおけない所業。
かくして、私は、横柄で、頭が高く、客を客とも思わない、感じの悪い不動産屋と呼ばれることになるのだ。
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