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2013年1月24日 (木)

悪徳不動産屋日記

 悪徳という言葉がある。

 悪徳につながる職業として、一番に思いつくのが悪徳不動産。

 悪徳弁護士、悪徳税理士、悪徳司法書士ってのもあるけど、これらは大半は真面目で堅い人の集団で、そのほんの一部に悪徳と呼ばれる輩がまじっているという印象だ。

 一方の悪徳不動産屋は、それとはちょっと違うニュアンスで悪徳と言われる。

 真面目な不動産屋さんもいるけど、悪徳の割合がちょっと高いように思われているフシがある。

 旧友との集まりや異業種の会合なんかで、ちょっと親しい関係になった相手から、「あんたは悪徳不動産屋じゃないよね」なんて冗談めいて言われることが多々ある。

 弁護士や、税理士、司法書士にかぎらず、医者、看護師、ヘルパー、公務員、建設業者、靴屋、ブティック経営者、スナックのマスター、ホステスさん等々いろんな職種があるが、そんな人たちに「あんた悪徳弁護士じゃないよね」とか「あんた悪徳ホステスじゃないよね」なんてセリフが使われることはない。

 悪徳商法、悪徳業者という言葉はあるが、悪徳とからめた熟語になる職業は不動産屋が一番似つかわしいようだ。

 私も、悪徳不動産屋である。

 どんな悪行をしているか、実例を明かそう。

 つい3日前の話である。

 店の入口のカウンターで、新規店舗の申込みのお客様と商談していたら、近くの貸し店舗の家主が、当社におみえになった。

 家主のちょっと深刻そうな顔をみて、私には用件の察しはついた。

 賃借人の家賃が遅れているのだろう。

 用件はわかっているので、先に商談していたお客さんにお断りして、家主を招き入れた。

 案の定、昨年3月に入居のお世話をした賃借人の家賃が遅れているということだった。

 私は、入居のお世話をしただけで家賃管理はさせていただいてない。

 家主さんも商売をしていて、自己所有の住居付店舗の店舗部分の一部を貸し店舗として賃貸しておられる。

 家賃集金を含めた管理料としては数千円いただかなくてはいけないし。1店舗だけの賃貸借であることと、家主が賃借人と同じ屋根の下にいるため、管理は受けず家賃は家主さんに直接支払うことにしていた。

 それについては、管理業務は受けていないので、家賃の督促や集金はしないということを明言しておいた。入居させてしまえば、あとの家賃には責任はとらない悪徳不動産屋だとヒトは言うだろう。

 悪徳不動産屋の理論は、入居の際の数万円の手数料で入居者の家賃保証を円円にできるわけがないということなのだ。

 家賃が遅れる人は、2度ならず3度4度督促をして、家まで集金に行ったりと多大な手間がかかる。

 管理料はその保険料みたいなものなのだ。

 入居の際には、保証人をつけた入居申込書をもとに家主に入居の了解を得て、契約になる。

 家主は、不動産屋さんがいいと思うなら了解する」なんてことをおっしゃる方が多い。

 見るからに問題を起こしそうなお客さんだったら、なんだかんだと理由をつけて店頭でお断りすることになるが、見た目で判断することは難しい。

 だから、保険として不動産屋に家賃管理をさせるといいのだが、毎月の管理料を惜しむ家主もいる。

 今回のケースは、貸し店舗は1軒だけであり、同じ建物に家主の自宅もあるので、無理に管理をすすめることはしなかった。

 そして、万一家賃が遅れることがあっても、当社は責任をとらない。

 隣同士で商売をしているのだから、家賃が遅れたら自分で直接督促をすることですよとご指導申し上げておいた。

 入居後7ヶ月目くらいから、前家賃が入らなくなって月を越しはじめ、4~5日遅れが、1週間10日遅れになって、今月は20日になるというのにまだ入らない。

 先週催促にいったら、今日(20日)には支払いますと言っていたのに、今日(20日)になっても入らないと、困りきった顔で相談に来たというのだ。

 私は悪徳不動産屋だから、「そんなこと関係ない」と言いたいんだけど、先にきているお客様を待たせていることでもあり、「私の方かも催促しておきます」と答えておいた。

 そして、先客との商談を続けた。

 30~40分で話が終り、先客が当社を出て行くのと入れ代わるように、先ほどの、家主に迷惑をかけている賃借人が入ってきた。

 いきなり、「家主が来たでしょう?」と言う。

 それにこちらが答える間もなく、「年末に仕入れが嵩んで支払いが多かったので、家賃がちょっと遅れるけど待ってもらうように言っていたのに、今日、自分が留守をしてるときに、家主が店に怒鳴り込んで来ていた」「それで、家賃は今払ってきたからね」と、腹立たしげに言う。

 仕入れ代を先に払わないと商売ができなくなるのに、家主がそれを理解していないというのが言い分のようだ。

 それを聞いて、悪徳不動産屋の私は、「○○さん、ね。仕入れ代金を支払わないとあとの材料が入れてもらえなくて商売ができないでしょう。しかしね、家賃を払わないと場所を貸さないと言われたら商売はできないよ。仕入れが一番大事なんじゃなくて、その場所で商売を続けるつもりなら、家賃も一番に大事なんじゃない?家賃は一番最後で良いってのは間違いですよ。今後は、家賃を遅らさないようにして下さい」と説教をかました。

 こんなとき、私は自分の顔が強面(こわもて)な人相でないことを悔やむ。

 悪徳不動産としては、凶暴な人相をしていると商売がやりやすいのだが、私は残念ながら顔に気の弱さが出ているようで、悪徳客には、なめらてしまうことが多い。

 このお客さんも私の説教にたじろぐことはなく、「仕入れが、仕入れが」と言っている。

 言っても無駄だが、私も、「仕入れができないと商売はできないが、店が使えなくても商売はできないよ」と同じことを繰りかえした。

 すると、「ここの家賃は高いと人が言う。もっと家賃の安いところを探して出ようと思っている」と言い出す。

 なんという言いぐさ。入居の際に家賃を引き下げる交渉をして、私に感謝していたではないか。

 それに、私は、店舗をお世話したら、極力その店の売上に協力することにしている。

 このお店については、入居契約でいただいた仲介手数料に近い買い物をしているはず。

 恐らく、そのお店で1番か、少なくても5本の指に入るお得意さんのはずだ。

 さらには、そのお店をことあるごとに知り合いに紹介してきた。

 その私に、「そのいいぐさはなんだ!」と言いたい気持ちを押さえ、「安いところがあるのなら、そちらでやるといいですね」「とにかく家賃は遅れないようにして下さい。」

 そして、「どうしても都合で遅れるときは、家主さんが隣にいるのだから、小まめに遅れるお詫びをすることですよ」と、顔面を引きつらせながら、お引き取りねがった。

 さらに、悪徳不動産屋の悪行は続くのだが、長くなりすぎるので、続きはまた明日。(日ごろ、私の話は長いとの悪評が高いので・・・)

  

 

  

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