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2013年1月17日 (木)

やっぱり怖い、橋下さん。

 橋下徹大阪市長は、体罰を受けて自殺があった大阪市立桜宮高校の体育系の募集を中止する意向を示している。

 これに対して、各方面から、やりすぎとの反発の声が上がっているようだ。

 以前から私が心配している、橋下さんの強権政治の不安が顕著化して見せつけられている。

 橋下さんには、自分は正しいことをやっているから、自分に逆らうことは一切許さないという姿勢が見えるのだ。

 やっかいなのは、強引に自分の意見を押し通していることに気づかない庶民がいることだ。

 童顔のかわいい顔で、わかりやすい明確な言葉で既成の権力を批判し改革を訴える姿に、庶民は正義の使者みたいな期待を覚えてしまう。

 しかし、自分の意見への反論に対しては、徹底して攻撃する。

 今回の、桜宮高校の問題も、体罰に対しての反省というよりは、これを教育委員会の権限を切り崩すチャンスと捕らえているように思えてならない。

 入学試験が間近に迫ったこの時期に、突然入学募集を中止されてしまっては、行き場を失う生徒がたくさん出るだろう。

 それについて橋下さんは「普通科を受けていただけば問題ない」と言っていたが、体育系での入学試験準備しかしてない生徒は、簡単に進路変更できるわけがない。

 橋下さんは、高校生活をラグビーにかけつつ、大学受験前の猛勉強で一流大学に入学できた。

 だから、進路変更も「大した問題ではない」なんて言うのだろうが、世の多くの凡人はそういうわけにはいかない。

 スポーツに秀でていて、勉強はイマイチだが(失礼な表現をお詫びします)、体育系ならスポーツの評価で合格できるかもしれないと思ってた生徒は、行き場を失って途方にくれるしかない。

 第一、体罰の問題は学校や先生たちが引き落ちした問題であって、生徒がその罰を被るというのは、論理的にも整合性のない処分である。

 橋下さんに違和感を感じるのは、橋下さんの考え方は、おうおにして、勝者の立場からのもので、弱者が押しやられることは仕方がないという発想に見える。

 今回の、桜宮高校の体育系募集中止に際しての発言は、実にその私の不安が如実に現れた事象であるといえる。

 「体育系に行けないことは大した問題じゃない」という発言が、彼の本質を表しているものだと思う。

 橋下さんが怖いところは、庶民の味方を園児ながら、実は勝者の立場で政治を進めているところだ。

 失礼な例えだが、亀井さんや小沢さんが同じことをやったら袋叩きにあいそうなことも、橋下さんがやると、変に納得してしまうことが怖いのだ。

 今回の募集停止の問題を受けて、渦中の生徒たちからも、「先生の体罰は問題だけど、生徒はみんな一生懸命だった。橋下市長は分かっていない」

 「体育科への進学を希望していた中学生がかわいそうだ」

 「体育科は学校の特色で大事な存在。予定通り入試をしてほしい」等々、多くの批判の声が噴出している。

 なによりも、「みんな困っている。生徒は悪くないはずなのに」という、生徒の困惑した声には、まったく私も同感である。

 学校が引き起こした不始末の責任をとらせたいのであろうが、懲らしめるのは学校であって、橋下さんが行なおうとしている懲罰で懲らしめられるのは被害者である生徒や受験生の方だ。

 生徒や受験生は、二重に被害を被ることになる。

 橋下さんは方針を見直すべきだと思うのだけど。

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コメント

そうだ、そうだまったく同感です。

ご賛同ありがとうございます。

なにもしいのも困るけど、強引に自分の意見を押し通すというのも困りものです。

公正でちょうどいい政治家というのは現れないのでしょうかね。

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