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2013年4月14日 (日)

悪徳不動産屋日記 キャンセルの違約金

 話が重なるときは重なるもので、またしても他業者さんとの商談についての相談。

 相談者は、私の20年来の知人。

 知人といっても個人的に親しい付き合いをしているわけではなくて、仕事上での知り合いである。

 この知人、悪徳不動産屋である私に、一目おいてくれているようなのである。

 彼はマスコミ関係の仕事をしているせいか、相談を受けることが多いようで、きどき不動産に絡む法律的な相談や、相続、税金についての相談に来るのだ。

 もちろん、いつも無償。

 悪徳不動産屋としては、無償でコンサルティングはしたたくないのだが、この知人は、困りきった顔をして実に恐縮してますという態度で来るもので、つい親身になって答えてしまうのだ。

 これまた悪徳不動産屋の風上にもおけない所業。

 この知人、1週間前にも相談に来ていた。

 そのときの相談は大した問題ではなかった。

 質問は、自分の知り合いが建売住宅を買おうとしているのだが、その建築会社は信用できる会社だろうかというものだった。

 私は、その建築会社と付き合いはないし、その内容も良く知らなかった。

 しかし、悪い評判は聞いたことがないし、地場の中堅のしっかりした会社だと思っているので、そう答えた。

 すると、「じゃー、大丈夫ですね」と念を押してきた。

 そういわれても困る。後でなにかあって、私が「間違いないと言ったので買った」と責められたら、たまったものではない。

 それで、「その会社について悪い噂は聞いたことがない。延岡のようなな小さな町で結構仕事を取っているんだから、いいかげんな仕事はしていないと思う。あとは自己判断で考えるように言うことだよ。」と答えておいた。

 そんな知人から、またしてもの相談。

 「今度はなに?」と聞くと、「先日相談した続きなんですけど・・」と言う。

 それを聞いただけで、私には相談の内容がわかった。

 1週間前に建築会社について相談を受けたとき、それは、私のつきあいのある不動産会社が売りにだしていた建売住宅のことだとピンと来ていた。

 昨日の湯布院の話といい、この話といい、他の不動産屋でやっている商談について可否を聞かれるほど虚しいことはない。

 私が仲良くつきあっている、某市内大手の会社の社長なら、他社での商談の相談をうけたとしたら、まずその商談をぶち壊すだろう。

 そして自分のお客さんとして、別な物件を勧める事を考えるだろう。

 しかし、私は悪徳不動産屋でありながら、頼られると断ることができない。

 気持ちと裏腹に、他社での商談の後押しをしてしまうことになる。

 1週間前の相談のときがそうだった。

 いくら私が弱気な不動産屋だといっても、相手が嫌いな不動産屋だったら多少は足を引っ張りにいくかもしれない。

 しかし、そのとき相談を受けた物件を扱っている会社は、そうではなかった。

 私は、後押しをするような話をしていたし、おそらくその後契約になったものと思っていた。

 それで、その業者さんに会ったときに、「あの建売売れたでしょ?これこれで、私がバックアップしたんですよ」と、話をした。

 悪徳不動産屋としては、せめて、ちょっとだけでも恩をきせておこうという魂胆だった。

 そんな私に、その業者さんは「決まったような、決まらないような。困ってるんですよ」と、本当に困りきっているような感じだった。

 話を聞くと、展示会に来て、気に入って買うということになり、ついては価格の値下げ交渉をしてきた。

 それを呑んで契約をすすめようとしていたら、急にキャンセルを言ってきたというのだ。

 そのときは、不動産業をやっていたらこんなこともつきものと、キャンセルを承諾したというのだ。

 すると、その後、良く考えたけど、やっぱり買いたいと改めて購入の申込みをしてきたというのだ。

 その業者さんは、このお客さんの言葉になんとなく不安があったので、重ねて、本当に違いないんですね?と念を押した。

 その結果は、家族で充分話し合った結果だから今度は間違いないという返事だった。

 それで契約の準備に入り、住宅ローンの手続きも始めているのだが、その後また、お客さんの態度がはっきりしなくなっているというのだ。

 私は、「そんなに心配しなくても間違いないよ」と言葉をかけた。

 そんな話をしていたら、かの知人からの「先日の相談の続き」という言葉で、相談の内容がわかったという次第。

 お気の毒だが、この業者さんの悪い予感は当たっていたようだ。

 不動産業者として、決まった話のキャンセルは非常に困るのだ。

 自分の商品を売っていてキャンセルになっても困るのだが、売主さんがいる仲介の立場でキャンセルになったときは、本当に困りきって、逃げ出したくなることもある。

 買うという話になると価格交渉が入る。

 買うということで、安売りしたくない売主さんを口説き落として価格引き下げてもらった後に、平気でキャンセルされると、売主に会わせる顔がない。

 売主によっては、不動産業者がいいかげんな話をしたのだと誤解して、激怒する人もいる。

 知人の、「続きの相談」というのは、一度キャンセルして、再度買うことにしていた。

 不動産業者にも、何度も念を押された。

 業者は、他の商談は打ち切って、このお客さんの購入手続きに入ると言っていた。

 しかし、やっぱりキャンセルしたいというのだ。

 そして、相談の一番の重点は、この不動産会社から違約金を請求されるだろうかというものだった。

 さすがに、相談者も自分に非があることは理解しているらしい。

 しかし、昨日の湯布院の相談もそうだが、私なら違約金は請求しない。

 私は、悪徳不動産屋なのだが、いたって気が弱い。

 それに、よだきんぼ(宮崎弁でなまけもの)なので、面倒なことが嫌いなのだ。

 こんな誠意のない人間と一瞬たりともいっしょにいたくない。

 だから、こんなお客(お客とは言いたくない『悪魔』とでも言いたい)とは、早々に付き合いを終わらせたいと思っている。

 私は、相談にきた知人に「相手の不動産屋は、本当に迷惑していると思うよ。あなたには悪いけど、そんな人のために知恵を貸したくはないね」

 「それに、相手の不動産屋がどういう態度にでるかは、ボクに聞かれてもわからない」と、知人には気の毒だが、冷たい答えになってしまった。

 ちなみに、損害賠償というけれど、損害賠償を請求するためには、いざ裁判となると、請求する側が損害額の立証をしなければならない。

 裁判所に自分が請求する損害額を認めてもらうのは、なかなか難しい。

 さあて、今回の話の処理はどうなることだろう。

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