安愚楽牧場元社長ら逮捕
和牛オーナー制度が行き詰まり、経営破綻した「安愚楽牧場」の元社長ら3人が逮捕された。
事実と異なる説明で出資させた特定商品預託法違反容疑での逮捕だが、詐偽容疑での立件も視野に入れているようだ。
出資者は約7万3千人、被害総額は4300億円とも言われている。
いつもながら、儲け話による出資金詐偽事件の被害額には驚くしかない。
4300億円もの大金が跡形もなく消えているが、、そのほとんどは高額な配当にまわされていたのだろう。
世の中そんなにうまい話はないよ、と思うのだが、巨額詐偽はあとをたたない。
石川五右衛門の、「浜の真砂はつきるとも、世に盗人の 種は尽きまじ」という有名な台詞があるが、まさに「世に 詐偽の種は尽きまじ」だ。
それも、これも、人の欲につけこんだもの。
最初は、うますぎる話しに疑心暗鬼で警戒している人をも、手練手管で詐偽の網にからめとっていくのだろう。
騙すヤツが悪いに決まっているのだが、騙された人の自己責任も否めない。
騙されないために頭にたたき込んでいただきたい話がある。
それは、私がお付き合いいただいている社長さんの話だ。
その社長さんは本業は大繁盛で、儲かっておられるから、不動産業者が高額の収益物件の話を持ち込むことも多い。
私も何度か取引いただいている。
あるとき、その社長さんから「○○不動産というのを知ってるかね?」と聞かれた。
その不動産屋は、訴訟をたくさん抱え込んでいる、悪名高き不動産屋だった。
「知ってますけど、何かあったのですか?」と聞いてみた。
すると、その社長。「いやー。面白い不動産屋だったよ」と愉快そうにおっしゃる。
これは大変。詐欺師の特徴は、相手に好感をもたせるのが上手い。
だから、人は騙されるのだ。
もし不動産の商談をしているのであれば、その内容を調査してあげなくてはいけない。
心配している私に、社長は続けた。
「いやー。面白い人でね。私に5000万円出資しろと言うんだよ。そうすれば2~3年で3億円儲けさせると言うんだ。」
これはいかん。そんな話がある訳ないと注意しようと思って、口をはさむ間もなく社長は続ける。
「な、赤池君。面白いやつだろう?私はその不動産屋に言ってやったんだよ。あんたね、来る所を間違ってるよとね。」
私には、その意味がわからなかった。
その不動産屋も、社長の言葉が理解できずにポカンとしていたそうだ。
社長は楽しそうに話を続けた。
「あんたが行かなくてはいけないのは、銀行だよ。うちは銀行じゃないよ」
そこまで聞いてなるほどと、私には理解がいった。
その不動産屋は、そこまで言われてもまだ意味が理解できなかったらしい。
なにを言われているかわからなくて唖然としている不動産屋に、社長はこう言ったそうだ。
「そんなに確実に儲かる話なんだから、銀行に行きなさい。たった5000万円くらい銀行がすぐに貸してくれるよ。」
そう言われて、やっと意味のわかった不動産屋は、あきらめずにねばろうとしたらしいが、社長は「俺は銀行じゃないのだから5000万円なんか出さない。あんたも、俺に何億も儲けさせるより自分で儲けた方がいいよ」と言って、あとは相手にしなかっかったそうだ。
さすが、儲かっている社長は言うことが違うなあと、つくづく関心させられたものだった。
私が心配するまでのことはなかった。
もう10年くらいになるが、忘れられない話だ。
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