悪徳不動産屋日記 ぶつしけな相談
昨晩のこと。
夜のジョギングに出る前のウォーミングアップをしていたら、携帯が鳴った。
発信者は私の同級生。
嬉しい電話ではない。
時間は夜の9時半過ぎ。
こんな時間に電話をもらうような親しい間柄ではない。
以前に不動産の取引があって、そのときに電話番号を登録したのだが、あまり良い思い出ではない。
その後、1年に1回くらい電話が入ることがあるが、頼みごとをされることが多くて、楽しい電話だったことはない。
出ようかデマイカ迷いつつ電話に出た。
「あーら赤池君」ときた。
そしていきなり要件に入る。
「私の娘がね、土地を探していて、まだ契約はしていないんだけど買おうとしている土地があるのよ」と言う。
私は不動産屋。娘さんが土地を探しているなんて話は聞いていない。
他の不動産屋に依頼をしていて、気に入った土地が見つかったようだ。
それで私に何の用事なんだろう。
私は悪徳不動産屋だもので、不愉快な気持ちなのだが、そんな私の気持ちに関係なく話を続ける。
「場所はね、○○で、今道路の拡張があっているところからちょっと東に入ったところで、・・・・・・・・・・・・・」と場所を教えてくる。
だからなんだってんだ。早くトレーニングにでないと10時になってしまう。
夜のトレーニングは、せめて10時半までに終わるようにしている。
いらいらしながら勝手な話を聞き続けさせられる。
結局、その土地が高いのではないかという話なのだ。
場所と、面積と価格を聞くと、明らかにちょっと高い。
しかし、私は悪徳不動産屋であるが、他人の仕事の邪魔はしない主義。
ちょっと高いようだけど、気に入って買おうとしているのなら口出しはしないほうがいいという意見を言う。
物件が持ち込まれた瞬間に相談があれば、私が不動産屋として交渉に入ることもできた。
しかし、数日後に契約日をひかえて、いまさら相談もないだろう。
おそらく娘さんは、数カ月か数年かかけて土地を見てまわって、やっと気に入る土地が見つかったのだろう。
だから、少々高くても買う決心をしたはずだ。
無責任に商談を壊すだけは娘さんのためにならない。
そんな説明をしてあげた。
私も、悪徳とはいえ不動産屋のはしくれ。
他の不動産屋で買う話の相談だけ受けるのは面白くはない。
早く話を打ち切ってトレーニングに出たいのだが、なかなか電話を切ってくれない。
「でも、高いでしょ?」と、しつこく聞いてくる。
「高いか安いかといったら、ちょっと高いよ。いろいろ見た結果、気に入ったのだから少し高くてもしかたがないでしょ。」と、同じ答えをするしかない。
「私、絶対に高いと思うのよね。」と同じ話のくり返し。
そして、「他に良い土地はない?」ときた。
話を聞いていると、娘さんは相当長期間土地探しをしていたようだから、おそらく現在売りに出ている物件はすべて見た結果、その土地を気に入ったはず。
新たな物件が出る可能性のある地域なら、しばらく待ってもらって私が土地探しをするという手もあるが、なかなか新規の土地が出ないエリアなのだ。
早く電話を切りたい私の気持ちを無視して、彼女(同級生)は話し続ける。
私は悪徳不動産屋。こんな話しにつきあってられない。
「こんな相談をされても困るんだよ!」と言うと、「どうして迷惑なの?相談しているだけなんだから、答えてくれてもいいでしょう」ってな感じ。
不動産屋として、契約の日にちが決まって後でのキャンセルは非常に困る。
契約を決める前の話であれば、少しは対応のしようもあるが、契約することを決めた後の相談では助言のしようがない。
そもそも、私を同級生として頼ってくるのであれば、娘さんが土地探しをしているときに言ってくるべきだろう。
かくして、悪徳不動産屋は不愉快一日の終りを迎えることになった。
そして15分遅れでジョギングに出かけ、大量の汗とともに不愉快を流し出した。
« 松井秀喜さん、ヤンキースで引退セレモニー | トップページ | 悪徳不動産屋日記 気持ちの良い相談 »
「05不動産情報館日記」カテゴリの記事
- 悪徳不動産屋日記 確定申告 (2023.02.23)
- 悪徳不動産屋日記 確定申告の季節(2023.02.08)
- 悪徳不動産屋日記 最強強烈寒波 異常無し(2023.01.25)
- 悪徳不動産屋日記 100パーセント儲かる計画なら銀行へ(2022.08.03)
- 悪徳不動産屋日記 これは不動産屋の仕事ではありません(2022.06.08)
コメント