婚外子の相続差別、違憲
結婚していない男女間に生まれた子ども(婚外子)の相続分は、結婚した男女の子どもの半分とする民法の規定(民法900条4項)が、法の下の平等を定めた憲法違反にあたるかという裁判で、最高裁が違憲と判断する公算が大きくなっている。
この規定については、宅地建物取引主任者の試験の相続の計算問題でも必ず出題される。
法律の勉強をしていても、何の疑問もなく条文をそのまま理解していた。
妻以外の女性との間に子どもをもうけるということは、通常の結婚生活を乱すことになるので当然のことだと、漠然と思っていた。
この規定ができたのは、結婚をした家族を尊重し、その配偶者と子どもの財産を保護するべきだという考えからだろう。
結婚が、夫が妻子を経済的にも精神的にも守る立場だと考えると、婚外子が差別され、相続においても婚内子の取り分が多いのはしかたがないような気がする。
差別される側の人の言い分を聞くと、この民法の規定は納得できないということに思い至らされる。
生まれてくる子どもは親を選べない。
同じ父親の血を引きながら、「自分の価値は2分の1しかないのかと、疑問に感じてきた」という気持ちはわかる。
欧米諸国では、60年代から差別撤回の動きが進み、平等化が実現している。
日本に残る婚外差別の象徴がこの規定だと指摘されている。
日本でも、家族に対する国民感情も大きく変わってきており、最高裁が違憲判決を出すことについて、私は、また何の疑問もなく世の趨勢だと思っていた。
しかし、今回の裁判における婚内子の女性が、「幸せな家庭を壊され、精神的苦痛に耐えて生きてきた。私たちは相続規定を心の支えで、婚外子を平等に扱うのは絶対に反対です」と言うのを聞くと、それもまた悩ましい問題だ。
婚内子とその母親にとって、婚外子とその母親は、家庭の支えであった自分の父と夫を奪った相手なのだ。
夫の離婚要求を拒絶し続けた。
こどもには戸籍上の父親を残し、自分たちから夫を奪った女性とは絶対に結婚させない。
そして、婚外子の人を戸籍上父親の無い子どもにしてやりたいという強い意志を感じる。
生きるるということは、悩ましいことなのだなあ。
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