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2014年3月27日 (木)

袴田事件、再審開始決定

 衝撃的なニュースだった。

 昭和41年に静岡県で起きた強盗殺人事件で死刑が確定していた袴田さんの再審請求が認められた。

 再審開始が認められただけではなく、死刑の執行と勾留を停止し、釈放を認めるという異例の決定だった。

 決定の理由について裁判所は、「重要な証拠が捜査機関に捏造された疑いがある」と判断、「きわめて長期間、死刑の恐怖の下で拘束されており、これ以上河内を続けることは耐えがたいほど正義に反する」と断じている。

 この判決を聞いて、なんとも言い難い怒りを覚えた。

 逮捕から48年、死刑確定から34年。当時30歳からの48年の時間は、どんな手段をつかっても取り戻すことはできない。

 人が、金儲けのために人をだましたり、罪を逃れるために嘘をつくというのは理解できる。

 手柄をたてたり名声を浴びるために成果を捏造するというのも理解はできる。

 しかし、捜査当局が無実の人に罪をなすりつけるために証拠を捏造する意味は、私にはまったく理解できない。

 ましてや、判決は死刑。

 権力を手にした者は、その権威を維持するために人の生命を奪うことにもためらいをなくすのだろうか。

 これは幼児誘拐殺人のような凶悪事件にも匹敵する、憎むべき、許し難きしわざだ。

 

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