30銭の部品で900億円の利益 ムラタ
30銭の部品で900億円の利益を上げている会社がある。
その名は村田製作所。
アップルの首脳に「ムラタが止まれば世界のスマホが止まる」と言わしめている。
村田の主力商品は積層セラミックコンデンサー。電気の流れを整える電子部品である。
あらゆる電子機器に搭載されるもので、スマートフォンには携帯電話の3倍の600個が疲れている。
三国のサムスン電機を押さえ世界シェアは35%。首位の座を明け渡したことは無い。
携帯電話。薄型テレビ。それを支える半導体や液晶パネル。日本の電機メーカーの多くが世界競争に敗れてきた。
日本企業とともに成長してきた村田も影響は免れないとの見方もあった。
そのムラタがなぜ勝ち残れたのか。
それは、ムラタの持つ独自性だった。
ムラタの創業の地は京都市東山区。
陶磁器づくりが盛んで、村田家も電気の絶縁などに使う磁器製ガイシの生産・輸出を手掛けていた。
創業者の村田昭氏が父に事業拡大を提案したときのこと、父に「注文を多く取るには安くするしかない。そんな商売は皆が疲弊する」と猛反対を受けた。
「価格競争を避けるには独自性で勝負だ」。44年、昭氏は試行錯誤の末、日本でまだ珍しかったセラミックコンデンサーを開発する。
その性能は材料の配合や焼き方、膜の積み重ね方で決まる。これまで村田が積み上げた焼き方の「レシピ」は数千通りに及ぶ。
「0402」。現在、村田がアップルなどに大量供給するコンデンサーは、わずか縦0.4ミリメートル、横0.2ミリメートル。
その中に100層にも重なる厚さ0.5マイクロ(マイクロは100万分の1)メートルのセラミックシートが村田のノウハウだ。
「なぜ小型化でいつも先を越されるのか」。他社がノウハウを盗もうと部品を砕いても陶器と同じ白い粉が残るだけ。
コンデンサーの単価はわずか30銭だが営業利益率は25%。
村田は年1兆個という天文学的な量を生産し年900億円近い利益を稼ぎ出す。
国内生産比率が75%でも採算に合う。
電子部品は単価1円に満たないニッチ市場だが、世界首位を取れば大きな利益をもたらす。
日の丸半導体は汎用性が高い半面、技術の優位性を失い体力勝負の価格競争で衰退していった。
その明暗のなかに日本のモノ作りの解が潜む。
「世界初そして独自性へのこだわり」(村田恒夫社長)は今も受け継がれる。(日経新聞)
久々に聞く嬉しい話だ。
もの造りの日本。まだまだ捨てたものじゃない。
感心しているばかりじゃなくて、自分にも何か独自性をみいだせないか。
それが見いだせれば、もう少し生きて行けるかもしれないなあ。
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