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2014年4月15日 (火)

悪徳不動産屋日記 助成金を受けられないと経営が厳しいのなら借りなさんな

 長引いていた貸し店舗の商談が破談になった。

 家賃7万円で、高い家賃の店舗ではないから、経営的な痛手はないのだけど、長いこと空いたままになっていて家主さんに対して心苦しい。

 当地(宮崎県の北端の街、延岡市)では、街中に空き店舗物件が目立つ。

 旧市街地の商店街には入居者募集のポスターだらけだ。

 私の事務所の100m圏内には20軒以上の空き店舗がある。

 長期間空いたままで、不動産会社の募集ポスターが色あせて社名も電話番号もわからないものがある。

 そんな状況だもので、なんとか契約にもっていきたかった。

 何度も何度も見に来て、建物の寸法を測ったり、店のレイアウトの検討をしていた。

 新規事業を始めるらしく、慎重に検討をしているようだった。

 私に、売り上げ予測や、仕入価格、利益率まで説明してくる。

 要は、経営予測が厳しいので家賃を下げてくれということなのだ。

 真剣に取り組んでおられるようなので、なんとか力になりたい。

 それに、多少下げてでも借りてもらった方が家主の利益にもなると思い、家主さんに家賃の値下げの了解もとった。

 それなのに契約の決心ができないようだった。

 他の不動産屋から案内させてもらえないかという問い合わせがあっているので、どうするのか確認すると、9割以上借りようと思っているのだが開業計画の都合があるので、2カ月くらい物件を取り置きしておいてもらえないかという。

 1カ月待てば、必ず借りるのかと聞くと、ほぼ借りる方向だという。

 私はこんな言い回しが苦手だ。

 今、他業者さんから案内申し込みが入ってるお客さんを案内すればが借りるかもしれない。

 ずっと空いたままだったので、商談にかかったときに、このお客さんを優先して商談をすると約束してしまったので、まったく無視することができない。

 それで、2カ月後に間違いなく借りるというのであれば、家賃発生は2カ月後という了解を家主にとるから正式に契約をしないかという話をしてみた。

 すると、立地的にも、店舗の内装状況と家賃を考えても、最適だと思っている。

 ただし、開業計画については、新規事業に対する助成金を受けるつもりで、助成金を受けられないと経営がきびしいという。

 助成金需給の可否が出るのが2カ月先だというのだ。

 悪徳不動産屋の私は、この話を聞いて、このお客さんに引導を渡すことになった。

 他のお客さんを案内したからといって、そのお客さんが借りるかどうかはわからない。

 だけど、物件は家主さんからのあずかりものだから、可能性があるものは案内せざるを得ない。

 だから、申し訳ないけど案内させていただきます。

 案内したお客さんが気に入っても、事業がからむから即決することはない。

 このお客さんが、気に入ったから取り置きしてくれと言ってもそれは受け付けないということで、同時進行で商談をさせていただきますと宣言した。

 本当は、もう一言、言いたかった。

 助成金を受けられないと経営が成り立たないような商売なら、やめた方がいい。

 失敗するのは目に見えている。

 助成金なんてのは、もらわなくてもやれるけど、もらえるものならもらっておこうというものだろう。

 それがないと採算がとれないというのなら、助成金が止まったと同時に破綻するしかない。

 当地(宮崎県の北端の街、延岡市)では、商店街の開き店舗対策に助成金をつけてきていた。

 開業時にかかる費用の2分の1の額(上限70万円)と、月々の家賃の半額(上限10万円)を半年間補助するというものだった。

 10年くらい前に始まった制度だが、助成金目当てで開業した店は、のきなみ、家賃の補助が終わるとまもなく閉店に追い込まれている。

 残念ながら、当市での助成金制度は、商店街の空き店舗活用にはつながらなかった。

 結果、空き店舗対策としての助成金は、昨年度をもって打ち切られてしまった。

 当市では、もうひとつチャレンジショップという制度が残っている。

 市が空き店舗を借り上げ、その店舗を9カ月限定で、月額1万円から2万円で貸しだすという制度だ。

 対象者は飲食店や食料品店の開業を目指す人を対象にしていて、期間終了後は指定商店街の空き店舗に出展することが条件になっている。

 お金をかけずに出店できて、家賃は1万円という超格安家賃。

 9カ月間、商店街で商売をして、ある程度のお客さんをつかんで地盤を固めて、その商店街の中に店を構えてもらうという趣旨なのだが、期間終了後に新たな出店は、いまだ無い。

 全国的にも、当地と似たような空き店舗対策の助成金制度をとっている自治体が多いようだが、安易で半端な助成金では空き店舗の解決はできないだろうなあ。

 つくづく商売はむずかしいと、骨身に沁みている悪徳不動産屋なのである。

 

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