フランクシナトラのマイウェイ
土曜日の早朝、「佐和子の朝」という番組がある。
先週のゲストは、ノーベル賞の山中教授。
番組の冒頭で、ゲストが、人生で心に響いた曲を取り上げることになっている。
山中教授が挙げたのが、フランクシナトラの「MY WAY」だった。
日本でも大ヒットし、布施明さんのカバーで、なじみのある曲だ。
「佐和子の朝」では、フランクシナトラの映像とともに訳詩がテロップで流れた。
その訳詩を見て、私は唖然とした。
シナトラは、「自分は思い通りに生きてきて悔いはない」と歌っている。
「我が人生に悔いなし」と言っているように思える内容だった。
日本でヒットした布施さんのカバー曲は、「いま船出が」と始まる。
「船出」という言葉が人生の出発を想わせるために、結婚式の定番ソングになっていた。
私も、そう思っていた。
しかし、「佐和子の朝」で流れる歌の訳詩は、人生の終焉を迎えた男が人生を振り返るものだった。
なんということだろう。
私は、自分の終焉を意識はじめた今ごろになって、マイウェイの意味を知った。
日本でヒットした訳詩は誤訳なのではないかと思ったが、「船出」という言葉を、あの世への旅立ちの意味と解すれば、原詩と符合する。
それにしても、この年になって初めて知った「マイウェイ」の歌詞が、しみじみと身に凍みる。
「マイウェイ」の中で、フランクシナトラさんでさえ「少しは悔いがあるさ」と言っている。
しかしシナトラさんは、それをはるかに超える達成感を歌いあげている。
つくづく、私は、やってこなかったことの後悔にまみれているなあ。
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