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2014年8月15日 (金)

悪徳不動産屋日記 改正民法「敷金」

 法制審議会が検討している改正民法要綱原案に、賃貸住宅の「敷金」に関するルールの明文化が盛り込まれている。

 敷金については現行民法に明確な規定がなく、退去の際にトラブルことが少なくなかった。

 悪徳不動産屋である私の見解は、敷金は家賃滞納や建物を損傷させたときの担保として借り主から家主があずかっている金銭」としている。

 さらに私の見解では、「通常の使用による損耗や経年化劣化については借り主の責任はない」と、家主に納得させている。

 この見解は今はあたりまえになりつつある。

 しかし私は、不動産会社の一社員のときから、基本的に敷金は全額返すべき金銭だと考えていた。

 30歳を過ぎて実家の靴屋を飛び出して不動産会社に入社したのだが、不動産屋が一方的に家主側に立つことに違和感を抱いていた。

 報酬をいただいているのは借り主さんなのに、金を払わない家主が大きな態度をしているのに腹が立った。

 賃貸部門を担当させられていたとき、借り主と家主とのトラブルに遭遇したとき、借り主側に立った意見を述べて、家主から怒りをかうことが間々あった。

 畳や襖も替えていないのに取り替え費用を請求する家主や、自然損耗のクロスやフローリングの補修費を請求してくる家主に腹がたった。

 なんだかんだと理由をつけて、敷金を返還しない家主は少なくない。

 敷金を返還できないどころか、原状回復費用が敷金を上回るので追加費用を請求することもある。

 こんなとき私は、常に入居者の味方をしてきた。

 家主からは悪徳不動産屋のそしりを受けたが、原状回復の名のもとに不当な請求をすることは犯罪だと言い続けてきた。

 昨今、敷金返還訴訟が相次いで起こされ、ことごとく家主に不利な判決が下されている。

 改正民法要綱原案では、敷金を「賃料などの担保として借り主が家主に交付する金銭」と定義。

 そして、その返還時期を「賃貸契約が終了し、物件をしたとき」と規定。

 また、家賃滞納などがあれば敷金を充てることができるとし、敷金をめぐる基本的なルールを明記している。

 部屋の原状回復義務については、「通常の使用による損耗(傷みや汚れ)、経年変化を含まない」と限定している 。


 ルールがはっきり決まれば、敷金返還のトラブルは大幅に減少するだろう。

 悪徳と言われながら自分の正義を押しつけてきた私の心に平穏が訪れそうだ。

 

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