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2014年8月16日 (土)

どういう罪名になるのかわからない盗撮容疑で逮捕できるのに、殺される恐れがあるという通報があっても逮捕しない不思議

 愛媛県伊予市の市営住宅で、17歳の女性の遺体が押し入れから見つかった事件があった。

 この事件では、近隣の住民から地元警察へ、女性がよく暴力を振るわれているという通報かあっている。

 このままでは殺されるのではないかという通報もあっている。

 通報を受けた地元警察は、訪問はしたものの留守で会えずに帰り、その後電話で連絡がついたが、「1~2週間前に出て行った」という説明をうけて、それ以上の対応をしていない。

 同署幹部は「被害者が亡くなった事実を踏まえると、さらに踏み込んだ対応をした方がよかったのかと考えている」と話した。

 「かと考えている」とは、なんとも人ごとのような発言。

 一方、札幌で電車内で女性を隠し撮りしたとして、北海道がんセンターの医長が、ほっ感動迷惑防止条例違反の疑いで逮捕されている。

 逮捕容疑は、札幌の地下鉄の社内で、前に座った女性の姿をタブレットを使って動画撮影した疑い。

 逮捕された医長は、「きれいだから撮った」と容疑を認めていると報じられていたが、これが北海道の迷惑防止条例違反の要件に該当する犯罪行為なのかどうか、私には疑問である。

 法治国家では、法律に照らし合わせて違反があったときのみ犯罪者とされる。

 道徳とか常識とは別物だ。

 ちなみに北海道の迷惑防止条例(正確には北海道:公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例)の条文を読んでみたが、逮捕された医長を条例違反として逮捕する意味合いが、私にはわからない。

 あえて該当しそうな第2条の2(卑猥な行為の禁止)を、そのまま掲載させてもらう。

 第2条の2(卑猥な行為の禁止)
何人も、公共の場所又は公共の乗物にいる者に対し、正当な理由がないのに、著しくしゅう恥させ、又は不安を覚えさせるような次に掲げる行為をしてはならない。
(1) 衣服等の上から、又は直接身体に触れること。
(2) 衣服等で覆われている身体又は下着をのぞき見し、又は撮影すること。
(3) 写真機等を使用して衣服等を透かして見る方法により、衣服等で覆われている身体又は下着の映像を見、又は撮影すること。
(4) 前3号に掲げるもののほか、卑わいな言動をすること。
2 何人も、公衆浴場、公衆便所、公衆が使用することができる更衣室その他公衆が通常衣服の全部又は一部を着けない状態でいる場所における当該状態の人の姿態を、正当な理由がないのに、撮影してはならない。

 きれいだなと思って、その姿を撮影したことがこの条項に抵触するとは、私には思えない。

 公的な病院の医長という立場の人が、女性の姿を無断で撮影したということが面白いからとりあげられたのだろうし、逮捕にも至ったのだろう。

 こんな些細なことで逮捕できる権力を持っている警察が、「殺されるかもしれない」という通報があったにもかかわらず、「さらに踏み込んだ対応をした方がよかったのかと考えている」と言っているのは、どう考えてもおかしい。

 運転免許更新の際の講習での「だろう運転ではなく、かもしれない運転をしなさい」という指導を思い出す。

 「人は飛び出しては来ないだろう」と思って運転するのではなく、「人が飛び出して来るかもしれない」と思って運転しなさいという指導だ。

 ことは、人の生死にかかわること。

 「たいした事件にはならないだろう」ではなく、「大事件になるかもしれない」として、対処してもらいたい。

 か弱い市民にとって、警察が最終のよりどころなのだから。

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