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2014年8月27日 (水)

捨てていた歯が再生治療に

 乳歯や親知らずなど、捨てられていた歯が再生治療に役立つ可能性があるという。

 これまで抜いた歯は捨てられるだけだった何も役に立たなかったはずの歯が、脳梗塞や脊椎損傷などの治療に役立つ可能性が高まっているというのだ。

 歯の神経である歯髄から取り出す幹細胞を培養して冷凍保存し、組織適合試験で問題がなければ治療に使えるという。

 歯髄細胞の活用法として最も期待されるのが、脊髄損傷の治療だ。

 交通事故やスポーツ事故などによる損傷例は多いが、今のところ有効な治療法がない。

 培養した歯髄細胞を点滴や注射で直接注入し、組織を再生する治療の研究が進んでいて、「早ければ3~5年後に実用化できる」という。

 歯髄は採取しやすいうえ、細胞の増殖機能が高い。

 歯にガンがないことでもわかるように、歯髄細胞の遺伝子は損傷しにくく、安全で高品質の幹細胞を確保できる。

 幹細胞を活用した再生治療として、白血病の治療として有効な骨髄バンク、臍帯血バンクがある。

 しかし、骨髄採取は体の負担が大きいし、臍帯血は出産時にしか採取できない。

 それに比べて、歯髄は体の負担も少なく、何度も採血のチャンスがある。

 歯髄も、骨髄や臍帯血と同様に、組織の形が一致しないと再生治療には使えない。

 ただし、採取の容易さと採取のチャンスの多さを考えると、本格的に歯髄細胞バンクが稼働すれば、骨髄バンクとは比較にならない多くの歯髄が採取できるるだろう。

 集まった幹細胞は現在、500人分ほど。

 これが1万人分になれば、日本の人口の50%程度は適合する。

 さらに、30万人分集まれば、ほぼ100%カバーできるという。

 一番いいのは乳歯で、自然と抜ける乳歯を保存するための容器を保育園や幼稚園に常備して献ぜんな乳歯を採取する方法も検討されている。

 わけのわからないSTAP細胞より、はるかに実現性がありそうだ。

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