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2014年9月10日 (水)

テング熱はもういい。結核やエイズを報道せよ。

 昨日、今日と、全米オープンテニスの錦織選手の話題でもちっきり。

 優勝できなかったことは残念だけど、準優勝でも歴史に名を残す快挙だ。

 ほんとうに、すごいことをやってくれた。

 日頃私は、スポーツ選手の「勇気を与えたい」という選手の言葉を苦々しく思っているのだが、錦織選手の活躍には感動を覚えた。(しかし、勇気は与えてもらっていない。そ)

 「勇気をもらった」と人々がざわめきたつのも当然のことだろう。

 しかしワイドショー・ニュースで、これに続く話題が、デング熱ってのが、どうにもいただけない。

 もう、何度か書いたことだが、デング熱ってのは大した病気ではない。

 症状としてはちょっと高熱がでるというだけで、インフルエンザより軽い病気なのだ。

 物珍しい病名に人が驚いているのをいいことに、テレビが騒ぎ立てて、恐ろしい病気のように勘違いさせているだけだ。

 視聴率がとれそうなネタをみつけると、話を盛って、ネタを肥大化させるのがテレビのやり口。

 見たくもなくてチャンネルを変えても、そこでも同じネタを繰り広げている。

 辟易しつつテレビを聞き流している人も多いはずだ。

 いつも思うのだが、もっと大事なことがあるだろう!

 と、一人で怒っているのだが、今日の日経新聞のウイルス研究の記事が、デング熱のことで、私の思いをうまく説明してくれていた。

 その記事にはこうあった。

 『世界で3500万人の感染者がいるエイズだ。エイズウイルス(HIV)に感染すると治療しなければ数年で発症して死ぬが、今は薬でウイルスの増殖を抑えることができ、日常生活は問題なく送れる。欧米では、感染拡大が収まりつつある。

 ところが、判明しているだけで約2万人の感染者がいる日本は鎮まりそうにない。

 
 新たな感染者は毎年1400人ほど見つかっているが、エイズを発症して体調を崩してから気づく人が約400人と減らない。(日経記事の文章そのままなのだけど、この一文はちょっと文章がおかしいような気がする)

 「感染から発症までの数年の間に、無自覚にウイルスを他人に広めてしまう」。国立感染症研究所の俣野哲朗エイズ研究センター長は危機感をあらわにする。

 この記事にあるように、エイズは、かつては死に至る病だった。

 感染してもエイズの発症を抑える薬ができたといっても、治療を間違えると死に直結する病気であることには変わりはない。

 マスコミは、エイズ研究センター長が危機感を訴えている、「無自覚にウイルスを他人にひろめてしまう」ことを阻止するための報道にこそ力を入れるべきなのだ。

 また、記事では、結核についても触れていた。

 日本は優れた医療技術があるにもかかわらず、実は結核は先進国の中で際立って患者が多い「中蔓延(まんえん)国」だというのだ。

 そういえば、以前なにかの番組で、日本における結核による死亡者がけっこうあると言っていたのを思い出して、ネットで調べてみた。

 厚生労働省のホームページによると、毎年2万人以上の人が結核に感染していて、平成24年中の結核による死亡者数は2,110人で死亡原因の26位である。

 日経新聞では、「未知の感染症には注目するが、名前を知っている感染症への関心が薄れやすい」

 「国内で感染者が増えているデング熱のように新しい感染症は注目されやすいが、リスクが高いとは限らない。適切な対策を進めるために、感染症の正確な知識を啓発し「正しく怖がる」ことを理解してもらう必要がある。」

 そのとおり、それを国民に理解させるための報道に、もうちょっと力をいれてもらいたいものだ。

 いたずらに人心を混乱させることのほうが視聴率がとれると思っているのかもしれないが、役に立つ情報を伝える番組をつくれば、堅実な視聴率はとれるはずだ。

 どこか、一つくらい国民を馬鹿にしない番組はできないものだろうかなあ。

 

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