「のべおか天下一薪能」 10月11日(土曜日)
10月11日(土曜日)城山城址で「のべおか天下一薪能」が模様される。
今日のTBSラジオ「永六輔の土曜ワイド」で、ゲスト出演の人形浄瑠璃演者 豊竹咲大夫さんとの対談の中で、「いまだに『能』の(良さが)わからないし、つまらない」と言っていた。
だけど、毎年「能」の舞台は観に行っているという。
毎年観に行っていて、いつもいっしょになる女性がいて、ある時、その方に、気になるから何度も観に来ているのだけど、いっこうに「能」がわからないと質問をしたというのだ。
すると、その女性は、「気になるってのがいいんですよ。それでいいんです。」と答えられたそうだ。
それを聞いた豊竹咲大夫さんも、「気になるってのがいいというのは、そういうことですね」と答えていた。
あの永さんが、「能」がわからないと言われていたのは驚きだった。
おりしも、来る10月11日(土曜日)、延岡城址公園で「のべおか天下一薪能」が催される。
「天下一」というのは、安土桃山時代から江戸時代初期にかけ、「天下一」の称号を授けられた能面作家のこと。
当地(宮崎県の北端の街・延岡市)の内藤記念館に、「天下一」の手による能面30面が所蔵されている。
この能面を掛けて、能楽界最高峰の演者が能を舞う。
ところは当地、延岡城址公園。
お城は残っていないが、「千人殺しの石垣」と呼ばれる石垣が見事に保存されている。
この石垣はお城好きには一目置かれるものらしく、「日本のお城62号」の表紙を飾っている。
夜の帳が降た「千人殺しの石垣」を背に、漆黒の闇の中でかがり火に浮かぶ幽玄の世界。
今年で18回目になる「のべおか天下一薪能」には、県内外から多くの観客を集めている。
かくいう私はといえば、1度だけ、師匠の招待を受けて観覧に言った。
一番安い席でも4,000円、一番席数の多い正面席は10,000円という、私にとっては高額だもので、自腹で行くのにはためらいがある。
師匠は、このイベントの元おこしの中心人物でもあるので、毎年、自分はもとより、お世話になった方を招待している。
私も、ありがたくご招待を受け、一度だけ観に行った。
しかし、正直言って、面白くはなかった。
10分位は、神秘的で幽玄な雰囲気を味わえたのだが、そのあとは退屈でしかなかった。
なんせ、謡いやセリフの意味が皆目わからない。
踊りも単調で動きも少ない。
招待してくれた師匠も、私以外の観客たちも、みんな口々に「すばらしい」と絶賛していた。
周囲からも、「よかった!」「すばらしかった!」という声が聞こえてくる。
私は招待を受けた身。「ありがとうございます。いいものを見せていただきました」と感謝の言葉を述べたが、本当は、まったくわからなかった。
城址からの帰り道を歩く人の誰からも、「わからなかった」という言葉は聞こえなかった。
私は、自分の芸術への理解力の無さを恥じつつ帰路についた。
それ以来、毎年「薪能」の季節が来ると、あの日の屈辱がよみがえっていたのだ。
それが、今日、あの永六輔さんから「能はわからない。おもしろくない。」という言葉を聞いた。
永さんは、だけど毎年観に行っているらしい。
そこが永さんと私の差だが、永さんの「能はわからないよね。だけど気になるから観に行っているんだ。」という言葉を聞いて、私も、もう一度観に行ってみようかなと思った。
そうなんだよね。
私同様、「能」がわからない人や、面白くないと思った人も多いはず。
そんなことを言うと馬鹿にされそうで、「よかった」としか言えないのだろう。
「能はいまいちよくわからないけど、なんか神秘的な雰囲気がいい」と言ったほうが、一般庶民は安心して観客になれるんじゃないかなと思った今日の出来事だった。
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